映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出てくるタイムマシン「デロリアン」を作る企画の7回目です。
今回は、気分を盛り上げるために映画のテーマソングを聞きながら、タイムマシン・デロリアンの動作原理と各部の名称などを調べます。
なお、タイムマシンの存在を本当に信じているわけではありません。しかし、本気で「こうだったら・・・」と考えてみました。
(2026年4月26日:記事の最後に、映画撮影に使用したデロリアンの車両の行方について追記しました。)
前回のタイムマシン・デロリアンの塗装に必要な色指定は、以下のリンクをご覧ください。
製作モデルの完成形はこんな感じで、Thingiverse で「OneIdMONstr」氏が公開されている電装付きです。

タイムマシン・デロリアンについて
タイムマシン・デロリアンは、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でエメット・ブラウン博士(ドク)が開発しました。
今回は、その細部についてまとめてみます。
引用元の資料は、主に以下の情報を用いています。
1 Wikipedia 「デロリアン (タイムマシン)」
2 「Back to the Future DeLorean Time Machine Owners Workshop Manual」英語版
3 「BACK TO THE FUTURE: THE ULTIMATE VISUAL HISTORY REVISED AND EXPANDED EDITION」英語版
4 その他ネット上の情報
デロリアン DMC-12
タイムマシンのベースとなったデロリアン DMC-12は、GM の副社長であったジョン・ザッカリー・デロリアン氏が設立したアメリカの「デロリアン・モーター・カンパニー」社が販売していたスポーツカーで、英国のロータス社が設計し、イタリアの著名なデザイナーであるジウジアーロ氏ががデザインしたカッコいい車です。
しかし、標準装備のプジョー・ルノー/ボルボ製 130 馬力 V6 エンジンは非力で、車両には故障が多発した上に、特徴的なステンレス製のボディは事故を起こすと修理が出来ず交換となり、ユーザの不満が高まります。
さらに、社長のデロリアン氏がコカイン所持容疑で逮捕(のちに無罪判決)されると、連日のマスコミによる報道の影響もあり北アイルランドのベルファストにあったデロリアン・モーター・カンパニー工場は閉鎖されることになりました。

タイムマシンの本体にこの車両を選んだのは、単純に見た目がカッコいいだけではなく、ボディがステンレス製で「フラックス分散問題」を解決できるからでした。
開発者のブラウン博士とは?
タイムマシン・デロリアンの開発者はエメット・ブラウン博士(以下では愛称の「ドク」と書きます。)です。
ドクは、カリフォルニア州のヒルバレー(架空の街)に住み、近所の高校生マーティ・マクフライの親友という設定です。
しかし、設定資料では第2次世界大戦中に原子爆弾を作り出す「マンハッタン計画」に召集され、レスリー・グローブス准将の下でオッペンハイマー博士と共に新型兵器の開発に参加していた物理学者です。
(ロスアラモス国立研究所の創立が1946年なので、当時20代後半だとすると映画の1985年には60代の設定ですね。)
そして、原子爆弾の開発中の1946年の休憩中に、同僚と議論したタイムトラベルの話とアイディアを元に研究を始めます。
いつタイムマシンを発明したの?
1951年に亡くなった父の遺産を相続して故郷のヒルバレーに戻ったドクは、独自にタイムトラベルの実験を開始しますが困難を極めました。
そんな中、1955年11月6日に洗面台の清掃中に足を滑らせて頭を洗面台に強打した時、タイムトラベル回路の核心となる「フレックス・キャパシタ」の構造を思いつきました。
この日がタイムマシンの発明日といえます。
そして、ヒルバレー全域の停電などの事件を起こしながら、1950年代の終わりには小さな物を数秒後の未来へ送ることに成功します。(エル・プサイ・コングルゥ)
映画では「変わり者の発明家」だけど?
1962年、キューバ危機を解決するために以前の上司(グローブス准将)が自宅に訪ねて来て、軍が「タイムトラベルの軍事利用」を計画していることを知り、タイムマシンの技術が各国の軍のものとなった場合の悪夢のような状況を想像したドクは「変わり者の発明家」を演じることを決意します。
主人公マーティンとの出会いは?
1970年代から80年代にドクは、高出力な発電機を開発するために原子力発電と最新の原子核物理学を学び直します。
そして、1982年に近所に住む14歳のマーティン・マクフライ少年と仲良くなります。
マクフライ少年はギターアンプの部品が欲しくてドクの研究所に無断で侵入しますが、ドクの愛犬アインシュタインがその場でマクフライ少年に懐いたことから、二人は和解してその後に親友になります。
なぜデロリアンを購入したの?
1984年に1981年製の中古のデロリアンを地元の中古車ディーラーで購入します。(車体番号:SCEDT26T8BD005261)
人間が搭乗できるタイムマシンを製作するには、バブル状の空間を作り出す時間場変位装置で機材を包み込む必要がありますが、車両はその形状から最適なものの一つでした。
(冷蔵庫では、うまく機能しませんでした。)
さらにデロリアンを選んだのは、単純に見た目がカッコいいだけではなく、ボディがステンレス製で「フラックス分散問題」を解決できるからでした。
その後、ドクは車両のパワー不足を解消するためにデロリアン純正の V6 エンジンをポルシェ 928 の V8 エンジンに乗せ換え、1985年7月に試運転が成功して時速 97 MPH(約156 km)まで加速が可能になりました。
(映画でデロリアンのエンジン音が V6 ではなく V8 のカッコいいサウンドに聞こえるのはそのためです。)
タイムマシンの作り方
タイムマシンのイメージとは違いますが、結果的に未来に到着することは可能です。なるべく速度の速い宇宙船で旅行をするだけです。
光の速度に近づくほど乗り物の中の時間の進み方は遅くなります。実際に飛行機やロケットなどの中の時間は、ほんの少しだけ遅れます。
しかし、この方法では過去には行けないのでタイムマシンではないですね。
実際には、ブラックホールを引き延ばした「宇宙ヒモ」か、ワープのように異次元空間をつなぐ「ワームホール」があればタイムトラベルが可能なようです。
タイムマシン・デロリアンは、「ワームホール」を使っています。

ただし、ワームホールは異次元空間なので、通常は入ることが出来ても出ることが出来ません。ブラックホールと同じ感じですね。
そこで、安全に異次元を通り抜けるために、「負のエネルギー」や「ダークエネルギー」が必要になります。
(ダークエネルギーは、宇宙の膨張を加速させている正体不明のエネルギーで、宇宙全体の質量の大部分(約70%)を占めていると想像されていますが、人間が簡単に扱えるものではないので除きます。)
負のエネルギーの代表例は、タキオンや反粒子ですが、反粒子は、医療分野のPET(陽電子放出断層撮影)検査などで既に応用されています。
タキオンは、光よりも速度が速い仮想上の粒子なので実在しません。スタートレックのエンタープライズ号や宇宙戦艦ヤマトの波動エンジンはタキオンを使用しています。
タイムマシン・デロリアンも、「フレックス・キャパシタ」でタキオンを生成してワームホールを作り出します。
タイムマシン・デロリアンの原理
ドクが発明したタイムマシンは、主要な3つの装置と制御装置で構成されています。
「フラックス・キャパシタ」、「原子炉」と「タキオン・パルス発生器(TPG)・フラックス・バンド」に制御装置の「タイムサーキット」です。
各機材の構成図はこんな感じです。(想像図)

そして、それぞれの装置は、デロリアンの後方にコンパクトにまとめられています。


フラックス・キャパシタ
映画の中でも目立った存在であるフラックス・キャパシタは、三次元型の粒子衝突型加速器です。
通常の粒子衝突型加速器は、二次元で構成されています。例えばヨーロッパで建設されている有名な CERN の衝突型加速器は、全周が約 30 km と山手線並みの巨大なもので、超電導コイルを使用して粒子を加速して2方向から衝突させて、反物質や未知の素粒子の発見に使用されています。
ドクの発明したフラックス・キャパシタは、衝突型加速器を3個用いて適切な角度で3方向から衝突させることでタキオンを生成することに成功しました。
この衝突角度と封入する粒子量は、ドクが長年の研究開発で最適地を導き出しました。
車載された粒子加速器から出力されたエネルギーを印加することで、タキオン粒子を生成します。
生成されたタキオンは、十分な濃度に達するまでフラックス・キャパシター内に閉じ込められます。
タキオン粒子を時間旅行に適切な量だけ貯蔵できる機能から、キャパシタ(日本ではコンデンサ)と名付けられています。
フレックス・キャパシタは動作中に高温になるので、隔壁の外側に専用の大型冷却装置が備えられています。
車両の速度が 88 MPH まで加速されると、車両上部に取り付けられた TPG(タキオン・パルス発生器)からタキオン粒子が放出されます。
放出されたタキオン粒子は、TPG で適切に集束されるとワームホールを生成し、時間連続体へのポータルを開くことができます。

原子炉
第1作目で使用された原子炉は、プルトニウムを使用した核分裂を利用した発電機です。
設定資料では、蒸気タービンを利用して発電する通常の原子力発電所と同じ構造となっています。
出力は 1.21 GW です。(映画製作当時は「ギガ :G」という単位が一般的ではなかったため、「ジゴ」と誤用されています。)

核融合炉
映画の第2話の2015年の世界線では、家庭用の核融合発電機が安価で販売されている設定です。
フュージョン・インダストリーズ社の「ミスター・フュージョン・ホーム・エネルギー・リアクター(Mr. Fusion Home Energy Reactor)」を(多分改造して)車載しています。
また、この世界線では簡単に反重力装置が実現できているので、玩具(ホーバーボード)や自動車も空を飛びます。

タキオン・パルス発生器(TPG)とフラックス・バンド
TPG(タキオン・パルス発生器)は、フラックス・キャパシタから発生した高濃度のタキオンを一気に放出してワームホールを生成します。
フラックス・バンド(時間場安定化装置)は、車両を取り囲むように前方のバンパーと車両側面に配置され、ワームホールを通過する間、車両の周りにバブル状の空間を保持します。

タイムサーキット
タイムサーキットの文字は、1行目が目的時間の赤色、2行目が現在時刻の緑色、3行目が前回出発時間で黄色になっていますが、これはドクが大好きなジョージ・パル監督の映画『タイムマシン』の制御システムの電球の色にちなんで決定されました。

タイムマシン・デロリアンの操作方法
それでは、実際にドクの発明したタイムマシン・デロリアンに乗って時間旅行をしてみましょう。
まずは、時速 88 MPH(約140 km)を出しても大丈夫な私有地に移動します。(日本国内の最高速度は新東名高速道路の 120 km なので、公道での走行は交通違反です。)
ちなみに、時間旅行に失敗した場合の停止距離は 250 m は必要です。十分広い駐車場か滑走路が良いでしょう。
映画の世界で初めてタイムマシン・デロリアンを実験した広大な「Twin Pines Mall」の駐車場は、現在も存在するカリフォルニア州の「Puente Hills Mall」です。
目測ですが、500 m 四方はありそうなので実験にはピッタリですね。

安全のために必ずシートベルトをします。座席後ろの原子炉にあるプルトニウムが心配なので、放射能防護服を着用しましょう。
エンジンを掛けると、ドクが載せ替えた V8 エンジンの良い音が聞こえます。
原子炉の主電源を入れると、時間旅行に必要な装置に電源が供給されます。
まずは粒子加速器を作動させます。
粒子が加速されるまでの間にタイムサーキットで行き先の年月日を設定します。
行き先は、月、日、年、時刻の順にテンキーから入力し、テンキー左脇の該当する色のボタン(目的時刻は赤色)を押して指定します。設定した年月日は1行目に赤色で表示されます。
ちなみに、タイムサーキットの月表示は英語の短縮ですが、入力は数字キーなので「1月は Jan」などと覚えなくても大丈夫です。
また、年の表示は4桁なので最大でも西暦9999年までしか行けません。

次に、走行距離を短縮するために、デロリアンにはタイヤロックが装備されています。スイッチをオンにしてタイヤを回転させます。十分にタイヤが温まったら、タイヤロックをオフにして発進しますが、強烈な加速度に注意して運転してください。
アクセルを踏み込みながらフラックス・キャパシタに粒子加速器の出力回路を接続します。
数秒でフレックス・キャパシタ内にタキオン粒子が蓄積されるのがルームミラー越しに確認できます。
さらに、運転席後ろにある通称クリスマスツリー(フィールド封じ込めシステム・ディスプレイ(FIELD CONTAINMENT SYSTEM DISPLAY))が、システムが正常なら緑一色から黄色、赤色が追加表示されます。
この状態になると原子炉に負荷がかかっているので、時々ダッシュボード右側にある3連メーターで原子炉の状態をチェックしておきましょう。
原子炉に異常が起きるとメータが降り切れてブザーが鳴るので、緊急停止と冷却システムのスイッチを押せる準備をしておきます。(消火システムは運転席後ろにあります。)
車両速度が 88 MPH になったら、コンソールに取り付けられた「Yハンドル・スイッチ」を切り替えるとフラックス・キャパシタ内に蓄積された多量のタキオン粒子が、タキオン・パルス発生器(TPG)とフラックス・バンドに供給され、車体が青白い光で出来た「卵型の保護膜」に包まれるのが一瞬確認できます。

そして、次の瞬間にはワームホールを通り抜けて、設定された年月日の出発地と同じ場所に到着します。
(ワームホールを通過する時間は1秒に満たないので、普通の人では気が付きません。)
ワームホール通過後は正面に何があるか分からないので、全身の力を込めてブレーキを踏むことを忘れないでください。
なぜ 88 Mph?
タイムマシンのデロリアンは、時速 88 MPH で加速した状態でスラックスキャパシタに 1.21 GW の電力を供給すると時間旅行できます。
時間旅行に必要なワームホールの生成に 1.21 GW の電力が必要なのは理解できます。
しかし、なぜ車両を 88 MPH まで加速させなければならないのでしょうか?
(映画のストーリーを盛り上げるための設定という説は、却下します!)
オカルト的?な考えでは、無限大を表す記号「∞」を横にしたものだとする説があります。
設定資料では、映画制作者は時速88マイルは覚えやすく、当時の法定速度(85 MPH)を上回るため、ドク・ブラウンが時間旅行をする時以外にその速度まで加速しないと考えたそうです。
SF 的な解釈では、次元転移装置が生成したワームホールを車体が通過するために必要な「脱出速度」だと解釈されています。 空間の裂け目は一瞬しか開かないため、その瞬間に車体全てを滑り込ませるには、特定の速度域に達している必要があるのです。
「フラックスキャパシタが、プログラムされた時間の目的地へのワームホールを生成することでタイムトラベルを可能にしますが、このワームホールは不安定で、ほんの 0.1 秒ほどしか持続できません。 ワームホールの安定性がわずか0.10717秒しか持続しないと測定された場合、長さ4.216メートルの車(デロリアン)をワームホールが閉じる前に通過させるには、時速39.3395メートル、つまり時速88マイルで移動する必要があります。」と解説されています。

なるほど、説得力がありますね。
しかし映画を見直すとそれだけでは説明できないと感じたので、以下は新しい「パオさん説」です。
私たちは自宅でソファーに座っている時には停止していると感じます。しかし、
地球の自転速度:時速約 1670 km(秒速約 0.46 km)
地球の公転速度:時速約 10万7000 km(秒速約 30 km)
太陽系の公転速度:時速約 83万 km(秒速約 230 km)
銀河系の移動速度:時速約 216万 km(秒速約 600 km)
銀河団の移動速度?宇宙の移動速度?宇宙の膨張速度は光速?
ということで、私たちは停止しているつもりでも秒速 600 km 以上の速度で宇宙空間を移動しています。
したがってタイムマシンの原理の所で出てきた「ワームホール」を使って過去・未来に移動した場合に座標のズレが起こるはずです。
すると、デロリアンが現れた先が宇宙空間になってしまいます。
それでは困るので、ドクは20年以上の研究の成果と沢山の実験結果から、ある事実を突き止めます。
「ワームホールの出口は、必ず出発した地球の同じ地点になる。」
出口が宇宙空間にはならないし、地球上でも座標が違う海の中など、不都合が生じる場所に出る場合は入口が開かない。
つまり、時間移動するためにワームホールの入口を開けられる場合は、出口が地球上の同じ座標に限られるということです。
これは、素粒子サイズの世界を扱う量子論では、素粒子の分布は宇宙のどこにでも存在する可能性があるが、我々が生きているマクロ的な世界では、放射した電子は目標の地点で観測されるのと同じです。
ただし、先ほど出てきたような速度で地球は宇宙空間を移動しているので、時間旅行後に多少の誤差は発生するでしょう。
その誤差が速度として現れるのです。
映画の中ではデロリアンは時間旅行に入る前に 88 Mph まで加速しています。
これは時速 141 km、秒速では約 40 m です。
時速 140 km で乾燥した舗装路を走行している自動車が止まるために必要な距離は、空走距離:約39m、制動距離:約193m です。路面がぬれている場合や舗装路以外の場合には停止距離は2倍から3倍に伸びます。
ところが、初回の時間旅行試験後のデロリアンは、濡れた路面なのに数 m で停止します。
(時速 30 km の停止距離が 14 m です。)
つまり、ワームホールを通り抜けた後は、タイムマシンの速度がマイナス方向(時速 -100 km 程度)に加速されるということです。
ドクが発明した方法で作られた停止した状態のタイムマシンは、時間旅行後に後ろに向かって時速 100 km で急加速することになるので、これに耐えられる人間はアポロの宇宙飛行士ぐらいでしょう。
そこで、安全係数を含んだ速度が時速88 MPH(141 km)なのです。
GW(ギガワット)ってどのくらい?
日本の最大規模の原子力発電所は柏崎刈羽原子力発電所の6・7号機で、1.356 GW です。
安全のための各種施設が場所を占めているとしても、ギガワットの出力を得るにはあの規模の発電所が必要です。
タイムマシン・デロリアンの設定資料では、原子炉の熱で発生した蒸気でタービンを回すことで 1.21 GW の電力を発生するとなっています。
しかし、この方式ではギガワット級の出力は得られません。詳しく見てみましょう。
最大の移動式発電機
ネットで見つけられた最大の発電機は、アメリカ陸軍が大陸間弾道弾を打ち落とすために開発した THAAD ミサイル・システム用の発電機 Prime Power Unit (PPU)で、牽引式の巨大なトレーラ式で自走は出来ず、出力は 1.3 MW です。
これはデロリアンより倍ほども巨大なサイズで、出力電力は 1000分の1です。
(THAAD 用のレーダーと PPU などは X バンドレーダーとして日本でも運用されていて、2台のレーダーで日本全国をカバーできるほど高出力です。)

空母の原子炉
大きさにこだわらないで探すと、ジェラルド・R・フォード級の原子力空母に搭載されている原子炉は、約 600 MWを生成します。
しかし、これでも 1.21 GW の半分ほどです。

移動式マイクロ原子炉
プロジェクト・ペレ (Project Pele)は、 米軍が開発中の移動式マイクロ原子炉です。
この移動式原子炉は TORISO(トリソ)燃料が用いられます。これは新型の核燃料で、高濃縮ウランを低濃縮ウラン化して、小さなビーズ状にしたもので、これにより小型・安定化を実現しています。
これの改造型ならデロリアンに乗りそうですが、出力は 5 MW で 1.21 GW の240分の1でしょぼいです。(失礼)

爆薬駆動型磁気流体(MHD)発電
上で紹介した発電機は、継続して安全に電力を供給するためのものでした。
では、タイムマシン・デロリアンのように、多少の安全性は無視して短時間だけ高出力を出す発電機はないものでしょうか?
それが爆薬駆動型磁気流体(MHD)発電です。
原理は強力な爆発を磁場の中でプラズマ化し、一瞬で膨大な電力を得るものです。(数秒以内なら数 TW も可能です。)
この技術は、短時間で高電流が必要は「レールガン」の電源として研究されています。
ドクはマンハッタン計画に参加していて軍人の知り合いも沢山いたので、レールガンの知識もあったはずです。
また、アメリカ国内に住んでいるアメリカ人なら政府の払い下げ品オークションに参加できます。
ここでは中古の宇宙船から軍需品まで破格の値段で販売しています。
さすがに軍事転用可能なレールガンの砲身などは売っていないでしょうが、故障したレールガン用の「高出力な電源」なら入手の可能性があります。

電気流体(EFD)発電
さらに、研究段階の「電気流体発電 ElectroFluid Dynamic generation of electricity(EFD発電)があります。
同様にレールガンなど短時間で高電流を出力するために、電荷を帯びた粒子を気体・液体の流れで電位差を生じさせる方法で、MHD発電が強力な爆発を使うのに比べて非常に安全です。
これらの改良型電源なら、デロリアンのような乗用車に 1.21 GW の高出力発電機を搭載できそうです。
映画で使用したデロリアン
Wikipedia によると、3部作の映画の撮影で使用されたデロリアンは6台だそうです。
その内の1台は、3作目の最後に列車と衝突して破壊されました。(派手に壊れるように切り目を入れたらしい。)
その6台の詳細ですが、
1台目は、映画3作の中でクローズアップにも耐えるよう一番精巧に作られたバージョンです。
撮影後は有志によってキレイにレストアされてロサンゼルスの博物館に収容されています。(ドクが購入した設定の車体番号:SCEDT26T8BD005261 は、車両番号で検索すると実在の車両として出てきます。)
2台目は、若干作りが甘い車両で、走行シーンなどに用いられました。(この車両が、3作目の最後に破壊されました。)
3台目は、登場人物のマーティやドクが乗り込んだ姿を撮影するために、前後で分割・カットされました。
これ以降の車両は、続編の製作が決定したので追加購入されたんのです。
4台目と5台目は、オフロードで走行できるようにエンジンと足回りが強化されたバージョンです。
6台目は、3作目でレール上を走行するように改造されたバージョンです。
さらに、映画の2作目で飛行形態の撮影に使うために、クレーンなどで持ち上げられるように軽量なデロリアンが必要になりグラスファイバー製の実物大模型も製作されました。
映画撮影のその後
1台目は、現在も博物館でキレイに展示されています。
2台目は、破壊されて破棄されました。
3台目と5台目の部品は組み合わされて日本のユニバーサルスタジオ・ジャパンで「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド」の入口に展示されていましたが、ライドが2016年5月31日に終了してデロリアンも撤去されました。
しかし、現在(2027年3月30日まで)期間限定でデロリアンの展示が復活しているそうです。
4台目はアメリカで個人所有となりました。
6台目はフロリダのユニバーサルスタジオに展示されていましたが、2007年に関連グッズを販売する店舗が無くなると共に撤去されました。
次回の予定
大好きな SF の話だったので長文になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次回は、デロリアン製作に戻って、車両内部を完成させます。



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