スタートレックのコミュニケータを作る 6(ボディ編)

スタートレックのコミュニケータを作る企画の6回目です。
前回で必要な部品の準備が出来ました。
(前回のコミュニケータのリング部の製作についての記事は、以下のリンクをご覧ください。)

今回は、コミュニケータのボディ部分を出力して製作した部品を組み込みます。最終形は、こんな感じになりました。

今回の製作部分

今回もボディ部分は Fusion で設計して 3D プリンタで出力します。
なお、まだ試作品の電子回路をサイズ確認のために組み込んでいますが、その詳細は次回に記事にします。

スタートレック(TOS)のコミュニケータの製作に必要な情報は HeroComm さんのページから引用しています。
詳細については、「The Parts」のページをご覧ください。

ボディ下部

いつもの Fusion でボディ部分をつくります。
まずは、一番簡単な形状のボディ下部です。
下図は、裏側にスピーカを配置した試作5号の形状です。

結局、スピーカはコントロールパネル部に配置したので、ボディ下部の最終版ではスピーカ穴はなくなりました。
試作2号からは裏側に電源端子(USB 端子)を設置しましたが、最終的には電源スイッチと共に下側の目立たない位置へ移動しました。

オリジナルのコミュニケータは固定用のネジが4本ついていますが、アンテナ回転部を固定する関係で上側のネジは中央に配置しました。

ボディ上部

ボディ上部の製作には苦労しました。
3D CAD のプロなら、コミュニケータのアンテナ部のような三次元で回転する部品を受け止める部分も一発で設計できるのでしょうが、私のような素人は、図面を修正して出力 → 失敗して修正 → 修正版を出力・・・といった試行錯誤が必要です。

最終的には、ボディ上部の試作品はアンテナの回転軸と共に沢山出来上がりました。
(こうやって上側から見ると違いが分かりませんが、アンテナ軸の固定部の角度が微妙に違います。)

アンテナ軸の試作品です。
アンテナを開いた時に良い感じの位置で止まるように「ストップピン」の角度を微調整しました。

中央プレート

中央のプレートはオリジナルでは 1.6 mm 厚のアルミ板で出来ていますが、これも 3D プリンタで作ります。
オリジナルは固定ネジが4本なので形状を変更しています。

中央プレートも試作品が5枚ほど出来ました。

3D プリントと塗装

出来上がった最終データを出力して塗装します。
使用している 3D プリンタは旧型なので出力後に段差などの修正が必要です。
ヤスリを掛けた後に、下塗り(サーフェーサ)処理をしてから塗装しました。

出来上がりです。
いつも思いますが、パソコンの画面で見えていたものが 3D プリンタで実際の形になると感動しますね。

外張り

本当ならば 3D CAD でボディに凸凹を表現して、最新の 3D プリンタで高精細に出力すると、この後の手順は必要ないかもしれません。
しかし、オリジナルのコミュニケータの表面はツルツルなプラスチックではなく、良い感じのデコボコな「Kydex」という素材で出来ています。
それを再現して、さらに良い感じの手触りにするために人工皮革を外張りします。
使用するのは Amazon で購入した「合皮補修シール」です。

このシートは、表面は手触りが柔らかくて良い感じの合成皮革で、曲面に対応して引っ張ると伸びます。そして裏側に強力なシールが付いています。
このシートをボディ部品より少し大きめに切断します。

そして、引っ張りながら張り付けていきます。
シールがなじむように、翌日までこの状態で置いておきました。

翌日になってから、不要な部分を切断します。
(この後、切り口の形状や色を修正しました。)

インジケータの取り付け

前回作ったインジケータを取り付けます。
これだけで雰囲気が変わりますね。

ついでにインジケータ用の LED を作っておきます。
同じ明るさになるように同じ白色の LED を3本使い、黄色・赤色・青色の塗料で着色しました。
(公式?の設定資料では、コミュニケータのインジケータは左から、黄色・赤色・青色になっています。)

コントロールパネル

コントロールパネルにスイッチを取り付けて配線します。
(設定資料では、スイッチは左側が送受信、右側がチャンネル切り替えです。)
マイク部の裏側には、後ほどスピーカを取り付けます。

内蔵回路

オリジナルのコミュニケータはストップウォッチを内蔵して「グルグル」を回転させていましたが、今回製作するコミュニケータは当時の技術ではなく21世紀の回路を内蔵します。
・MCU : ESP32 C3 SuperMini(互換機)
・外部メモリ : SD カード
・ディスプレイ : 円形 TFT(ドライバ IC に GC9A01 を使用)
・音声出力回路 : DFPlayerMini(互換機)
・スピーカ : イヤホン(色々なスピーカや圧電素子を試しましたが、百均のイヤホンがサイズ的にベストでした。)

電源部
・リチウムイオン電池(ガラケーの電池を利用)
・リチウムイオン電池充電基板
・昇圧基板(+5 V 用)

この回路部は試作品です。
内部に組込みが出来るかサイズを確認するためのものなので、回路の詳細は次回の記事にします。

回路の組込み

出来上がった回路を組み込みます。
ボディ上部にちょうど良い感じに収まるはずでしたが・・・

ところが、ボディ下部の電源回路とぶつかってネジが止まりません。
しかたがないので、リチウムイオン電池を小型の物に入れ替えました。

電池が小型化したので、ボディ下部に電源部に加えて ESP32と SD カードアダプタも収まりました。
(現在はテープで仮固定中です。)

なんとかボディが閉まりました。

この後、スイッチノブを取り付けました。

完成

まだ、音声の再生機能や動画(グルグル)機能が未装備ですし、細かな粗が目立ちますが外観は一応出来上がりです。

アンテナ部を開くと、オリジナルと同じぐらいの角度で止まります。
回転部分を修正するために何回もボディ部分を作り直した成果が出ていますね。(自己満足)

アンテナ部を閉じた状態です。

合成皮革を外張りしたので、手で持つとしっとりとした肌触りです。
アンテナ部を金属で作ってリチウムイオン電池などを内蔵したので、単純に 3D プリンタで作った空洞の試作品と比べると重厚感があります。
(左がオールプラ製の試作品、右が完成品)

次回の予定

次回は、ESP32 の回路の製作と Arduino IDE でプログラムの開発です。

ハードウエアの製作は MCU と関連基板をつなぐだけなので簡単に出来上がります。
しかし、ソフトウエアは苦手部分なので、とっても心配です。
スタートレックのコミュニケータと言えば、アンテナ部を開けると「きゅーきゅきゅ」と独特の音がして中央の表示部がグルグルして欲しいです。
そして、コントロールパネルのスイッチを押すと「転送」の効果音が鳴る。
夢はいっぱいです・・・

現在、私の能力で出来るのは、
・静止画の表示
・音声の再生
それぞれを独立して動作させることですが、

・独自の起動画面を作る。
・アンテナを開けると音を再生して、同時に動画を表示する。
・スイッチを押すと「転送」のギミックを再生する。
と段階的に難しくなる機能を実現したいです。

まずは、SD カード内の画像を高速に表示できる「LovyanGFX」グラフィック・ライブラリの使い方を勉強して、簡易的な動画再生を目指します。

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