OLED オシロスコープ V300 基板の完成報告を頂いた「Mさん」から、前回に引き続き「無料配布中のプリント基板」を使って、2つ目の OLED オシロスコープが完成したと連絡を頂いたので製作例として紹介します。
今回は「ラジオペンチ」さんが設計して「siliconvalley4066」さんが改良した「OLEDオシロスコープ」V402 です。
「完成した「オシロスコープのプリント基板」のお裾分け」の記事は以下のリンクをご覧ください。(まだ、基板の配布は継続中です。)
「siliconvalley4066」さんの V402 の製作例は「「オシロスコープのプリント基板」の組み立て方2」をご覧ください。
「siliconvalley4066」さん V402 について
「siliconvalley4066」さんが「ラジオペンチ」さんの「OLEDオシロスコープ」を改造された一連の製作記です。「siliconvalley4066」さんの製作記事は、こちらをご覧ください。(別窓が開きます。)
今までに公開されているバージョンは次のとおりです。
V310:「ラジオペンチ」さんの最終バージョン V300 から時間軸を4倍拡大して 20us/div まで表示できるようにし、FFT によるスペクトラム表示機能が追加されています。
V311:校正用パルス信号の発生機能を追加(校正パルスは 75kHz)
V401:九州工業大学大学院情報工学府の「等価時間サンプリング」を採用して「16Msps」という MCU の限界まで、時間軸を拡大しています。
なお、このバージョンからチャタリング対策をソフトウエアで実現しているので、オリジナルではハードウエアでチャタリング対策用に使用していたダイオードなどが省略されています。
V402:「siliconvalley4066」さんの最終バージョンです。
「V401」で使用していたスイッチ割り当てなどを変更して、操作性を改善したバージョンです。
ー追加された主要性能ー
水平感度拡張:20us/div(25samples/div)
FFTによるスペクトラム表示
校正用パルス信号
等価時間サンプリング:~ 16Msps
追加機能の「校正用パルス信号」と「等価時間サンプリング」機能は、常時駆動しています。
「FFTによるスペクトラム表示」機能を使うには、「SELECT」で「AC/DC」に移動して「UP」か「DOWN」で切り替えます。
FFT に切り替わると、画面表示がオシロスコープと違うのですぐに分かりますが、「AC/DC」の所が「FF」と表示されます。
V402 の完成例が下の写真です。
このオシロスコープにはテスト信号発生端子が追加されているので、画面に映っているのは自前のテスト信号波形です。
基板上の配置はオリジナルの V300 とほぼ同じです。
左上に「AC/DC切り替えスイッチ」、その横に「Down、Select、UP」の3ポジション・サムスイッチが、少し離れて使用頻度の低い「Hold」スイッチ、右側に電源スイッチが並びます。
テスト信号出力端子は、電源入力端子(乾電池1~2本を接続)の左横に設置しています。
基板サイズも3種類の「OLEDオシロスコープ」で共通です。横幅が 10 cm、高さが 2.5 cm です。
Mさんの製作例
素人同然の私が製作したプリント基板をお譲りする企画をブログに書いたのですが、「初めての事なので誰からも連絡がなかったら寂しいなぁ。」と考えていたら、最初に「OLED オシロスコープ」基板に応募をしてくれたのが「Mさん」でした、
その「Mさん」から、OLED オシロスコープ V300 に続いて V402 が完成したと連絡がありました。
今回は、このブログの別記事で紹介した「自宅リフロー」も試していただいたとの事でした。
(自宅リフローの一連の手順は下のリンクをご覧ください。色々な種類の半田ペーストなどが溶ける時間の違いを紹介する動画もあります。)
リフローには、私と同じように AliExpress で購入した「ヒートプレート」とクリームはんだ、ダイソーの瞬間接着剤用ハケを使用されたそうです。
(以下の記事で ” ” で囲まれた文章は「Mさん」からのメールの引用です。)
まずは、AliExpressからヒートプレートと低温クリームハンダを購入。
ヒートプレートはそのままでは不安定なの20mm厚の板の上に固定、電源SWも付けました。
前回は手ハンダで取り付けましたがブログで紹介されている「自宅リフロー」も面白そうだったので、今回はサムスイッチとセラミック発振子だけをリフローで取り付けてみました。
取り付ける部品が2個だけなのでステンシルも使わず、瞬間接着剤用ハケだけでクリームハンダを盛りリフローして見ました。
結構綺麗にハンダでき手軽で見た目も良く、「自宅リフロー」楽しいですね。
残りのチップ部品は手ハンダで取り付けましたが、3216サイズは楽勝です。
OLED オシロスコープ V402 の完成例です。
ケースには今回もラジオペンチさんと同じ箸箱(ダイソー?)を使っています。
今回も電池ボックスまでしっかりと収まっていますね。
ケースもV300 と同じものを使用したので、LEDを赤→青に変更、入力ピンも黒→赤にしてすぐに見分けられるようにしました。
なるほど、V300 は入力部分が黒色で V402 は赤色にしたのですね。
外観からは見分けるのが難しいので、これは良いアイディアですね。
上側が V300、下側が V402 ですね。
こうやって(ほぼ)同じ形の製作品が並ぶと、しっかりとした作りから工業製品のようですね。
製作へのお礼など
「Mさん」は、「siliconvalley4066」さんの 2CH オシロスコープの製作も開始したそうです。
次の作品が楽しみです。
特に、2CH オシロスコープ独自の操作インターフェースである「上下左右のスイッチ」を、同じ箸箱上にどのように配置するのか興味がつきません。
OLED オシロスコープのオリジナルの作者のラジオペンチさん、機能向上タイプを公開して下さった siliconvalley4066 さん、ありがとうございます。
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