このブログを書いているパソコンのキーボードを紹介する記事の2回目です。
(前回の英語キーボードの設定記事は、リンク先をご覧ください。)
先日、たまたま入ったハードオフのジャンクコーナでメカニカル・キーボードを見つけました。
前回紹介した「ミニ 68 キーボード」は音は静かで、しっかりとした打ち心地で大変安価な良い買い物でした。
リビングに置いてあるデザイン重視のパソコンデスクに付いている、狭いキーボード引き出しに置いても十分な小ささです。
しかし、使っていると英語キーボードの配列はすぐに慣れましたが、使いたいキーがない事が不満に感じてしまいます。
特に「名前を変更する」F2 と「カタカナに変換する」F7、「半角英数に変換する」F10 がないと長文の記事を考えながら書く時に慣れた配置でないと不便です。
これらの機能は例えば、「カタカナ変換」は Ctrl + U、「半角英数に変換」は Ctrl + T で置き換えられますが、Ctrl + C(コピー)や Ctrl + V(貼り付け)と違って指の位置が離れているので片手で押すのはつらいし、すぐに忘れてしまいます。
やはり物理キーがあると助かります。
それじゃ、ジャンクで買ってきたメカニカル・キーボードを設定して使えるようにします。
今回は、
・安価なメカニカル・キーボードの改造
・英語キーボードへの変更方法
・キーボードのカスタマイズ方法
です。
スイッチの種類(簡易版)
キーボードに使っているスイッチには、色々な種類があります。
時間が出来たら今まで使ったことのある「バックスプリング式」や「ALPS スイッチ」、「親指シフト」のキーボードなどをまとめて記事にしたいと思っていますが、図を描くのが大変なので停滞中です。
誤解を与えるかもしれませんが、簡単にまとめると・・・
・バックスプリング式:IBM が採用した「テレタイプを再現した」と言われる伝説級のキー
・メンブレン式:膜(Membrane)方式で、2枚のフィルムに接点を印刷した大量生産品
ーこれにシリコン製の出っ張りを付けたものが、安価なパソコン・キーボードで使われるラバードーム式
ープラのはしごの様な部品を付けたのがノートパソコンで使われていた、パンタグラフ式
・静電容量無接点式:キーボード界のロレックスと言われる(?)Realforce などで採用している少数派
押し込んだ時に変化する静電容量でキーの ON を検知します。接点がないので「羽のように軽い入力タッチ」などと言われますが・・・
・メカニカル:ここではそれ以外の機械式接点のスイッチを指しています。
ー ALPS スイッチ:日本のアルプスアルパイン株式会社(当時はアルプス電気株式会社)が製造していた元祖キー、1980年代には IBM、Mac、NEC という当時の「全て」のパソコンで採用されていました。
ーCherry スイッチ:ドイツ Cherry 社の MX スイッチ、〇軸と色付きの名で呼ばれる物はコレ
(中国製の互換品も多数あるが「互換品」=粗悪品ではなく、改良された優良品もある。)
ーLogicool、Raze、OmniPoint などキーボード・メーカが独自に作ったキー
ーその他:キーキャップが取れない物や粗悪なキーも「メカニカル」の名で売られてます。
今回の記事に出てくるのは、Cherry スイッチ互換の「赤軸」と「青軸」です。
赤軸:音が静か、軽い力で ON になる
青軸:カチカチ音がして、比較的押す力が必要
(写真は、Cherry 社より引用)
赤軸です。名前のとおり軸のプラが赤く着色されています。
青軸です。
前回紹介した「ミニ 68 キーボード」
テンキーとファンクションキーがない68キーのメカニカルで、赤軸のキーボードです。
箱が小さいためか、非常に重たく感じます。
外箱を見ると、商品説明になかった型番は「K68」のようです。
付属の USB 子機をパソコンに差し込むと、何の設定もせずに 2.4 GHz のワイヤレスでつながりました。
Bluetooth でも使えます。(FN + W/E キーを押す。)
赤軸のキーボードは初めてですが、キータッチはメカニカルで良い感じです。
打撃音も大きくなく、全体的な作りはしっかりしています。
今回購入した「Z-88」キーボード
今回ハードオフのジャンクコーナーに人知れず置かれていた箱に入っていたキーボードです。
ジャンク品なので動作は未確認ですが、箱の中にはキレイなキーボードとケーブルが入っていました。
金額はランチを食べる程度の値段で、メカニカル・キーボードの中古としては安価でした。
(外箱の様子です。内部にはクッション材に入ったキレイなキーボードとケーブルが入っていました。)
内部のキーボードです。
真っ白で汚れはありません。
キー数は88個なので現在使っているキーボードよりも20個もキーが多いです。
使用されているキーは青軸でした。
裏側です。
角度調整用の足と USB Type-C ケーブルの接続口があります。
ラベル部分を拡大しました。
E-YOOSO 社の Z-88 ですね。漢字では「e元素」と書かれています。
裏面が多少汚れている程度で、見た目は良い感じです。
キーを押した感じも気に入りました。
しかし、どこか作りが悪いのか、キーを押すと耳障りな高音がします。
今までに色々なメカニカル・キーボードを使ってきましたが、青軸はこんな感じなのでしょうか?
このままでは日常的に使用するのはつらいので、改造してみます。
内部の改造
まず、ケースを開けます。
キーキャップを専用工具で全て外します。
(その前にキーの並びの写真を撮っておかないと、差し込む時に苦労します。)
(写真は専用工具です。上からキーキャップ用、スイッチ取り外し用、両用です。)
赤丸部分のネジを外すと簡単にケースを開けることが出来ます。
基板とはケーブル1本でつながっていました。
(ネットの情報では、同じシリーズに無線で充電式の物もあるようです。)
ケースは非常に軽量です。プラスチックの肉厚を可能な限り薄くしているようです。
この部分に反響音を押さえるための対策をします。
本当ならば鉛などを入れて重量を稼ぐとともに静音化を行うべきなのでしょうが、今回は安価に入手したキーボードなので費用をかけずに改造を行います。
この部分に入りそうな梱包材を切り出します。
これをケース内に詰めてキーの反響音を抑えます。
キーキャップ部分の改良
このキーボードのレビューを見ると手放しで褒めている人と、凝ったフォントで視認性が悪いという人を見かけました。
確かに、英字の「O」と数字の「0」、記号の「[]」の見分けが難しいです。
さらに軽量化と単価を下げるためかキーキャップが非常に軽いです。
ケースを分解する時にキーキャップを外しましたが、青軸のキーだけで押してみたらクリック音は気になるほどではありません。
しかし、キーキャップを付けると耳障りな反響音が発生します。
そこで、キーボード静音用の部品をアマゾンで調達します。
「静音化リング」です。
簡単に言うと、直径 8 mm のシリコン製リングですね。
これをキーキャップの内部に入れて、押し込んだ時の音を抑えるものです。
シリコンの O リングの部品として探せば、もっと安価に大量に入手出来ると思いますが、今回は早く試したいので静音リングとして販売されているものを購入します。
500円程度で売っています。プライム会員なら送料無料です。
こんな感じでキーキャップの内部に1つづつ入れていきます。
内職のようですが、頑張って88個分を完成させます。
なお、シリコン・リングは沢山あるので、入るところには1か所に2個のリングを入れてみました。
(高さが低いキーキャップにリングを2つ入れると、キーに固定できなくなりますのでほどほどに。)
改造後の効果
キーボードのケース内に反響音を抑える詰め物をして、キーキャップに静音リングを入れた効果は抜群です。
音に関してはリビングで使用しても問題ないレベルになりました。
英語キーボードへの変更
このキーボードも日本語キーボードではなくて英語キーボードなので、Windows で使うには設定の変更が必要です。
・Windows11 の場合:「設定」の「時刻と言語」の中の「言語と地域」で「日本語」の横の「言語のオプション」を押します。
その画面の下側の「キーボード」部分に「ハードウェア キーボードレイアウトの変更」が表示されるはずなのですが、通常ユーザでは表示されません。
管理者で設定を開きます。
ここを英語キーボードに変更するだけです。
(写真は変更後の画面です。)
「PowerToys」でキーボードのカスタム
Windows でキーボードをソフトウエア的にカスタマイズするには、Microsoft の「PowerToys」を使います。
「PowerToys」は、Windows95 時代から存在する Microsoft 純正の Windows 用カスタマイズ・ソフトです。
今回は、その中のキーマップを変更する機能を使います。
まずは、ソフトを入手します。
GitHub に置いてあります。「PowerToys」です。
入手したソフトをインストールして立ち上げます。
左の項目に「Keyboard Manager」があるので開きます。
ここで、好みのキーに好きな機能を割り振れます。
私は、前回と同じく「右 Alt」キーを漢字切替にしてみました。
(設定して閉じるときに、双方向で入れ替えないと警告文が出ますが、無視しても設定は可能です。)
キーボードの評価
改造してカスタマイズ後のキーボードの使い心地は良好です。
しかし、取扱説明書が付いてこなかったので詳細な設定方法が不明です。
(ネットでマニュアルを探しましたが、キー数が異なるタイプの物しか見つかっていません。)
このキーボードはゲーム用らしいので(私には不必要な)キーを押すと LED が派手に点滅する機能が付いています。
モードを切り替えると派手な演出も選べますが、常に LED を消灯にする方法が分かりません。
(「Fn」+「↓」で暗くできますが、次回は元に戻ります。同様の機種のマニュアルには「Fn」+「PrtSc」で LED 消灯と書かれていましたが、この型式では機能しませんでした。)
英語キーボードで日本語表記がないので全ての方にお勧めは出来ませんが、個人的な満足度は95点です。(LED が消灯できないため。)
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