周波数カウンタを作る 3

かなり昔に自作した(他の方の設計ですが・・・)周波数カウンタを、現在の部品で作り直して小型化する企画の3回目です。

前回は、siliconvalley4066 さんが製作した、STM32F103C8T6 を使って(TTL レベルの信号ならば)200 MHz 位まで計測できる周波数カウンタに、市販品の「高周波アンプ」を接続して測定上限周波数を計測しました。
結果は、

・TTL レベル:66 MHz(自作信号発生器 TTL 信号の上限)
・信号発生器の出力信号を 20 dBm 程度にアンプで増幅:53 Mhz

となりました。
前回の記事は、下のリンクから確認してください。

今回は、短めの記事ですが(普段が長すぎる気がしますが・・・)ブレッドボード上に簡易的にアンプを作って測定できる上限を調べます。

ちなみに、ブレッドボードは高周波信号を扱う回路の試作する機材ではないことは自覚しています。
本来ならば、最低でも生基盤上に部品を半田で固定した試作基板を作るべきなのでしょうが、高周波用の部品は現在は入手困難な物も多いです。
最終的に周波数カウンタに仕上げる時には。現在も入手可能な部品で基板上に製作しますが、試作段階では可能な限り部品を再利用できるブレッドボードを使いたいです。

今回の企画では、あくまでアマチュアが自己責任で使用しています。
(ブレッドボード上で再現できる最高周波数ってどの位なのでしょうか?トランジスタ技術2014年5月号では、静電容量を計測して数 MHz までは実用できると結論付けていました。)

なお、繰り返しになりますが、この「周波数カウンタを作ってみる」企画の最終目標は、ずっと前に製作した PIC16F84 を使用した周波数カウンタと同等性能の
・通常入力で周波数上限:60 MHz
・プリスケラを付けて周波数上限:2.4 GHz
・ 周波数安定度を保つために TCXO 内蔵
を目指します。(今の私のスキルで、本当に出来るのか心配ですが。)

簡易試験用のプリアンプ

電子工学の書籍や国内外のネット上には、色々な情報があふれています。
周波数カウンタに使えそうな高周波用アンプの設計例も沢山見つかります。

良くある例としては、FET と高周波特性の良好なトランジスタの2段式アンプがあります。
すでに STM32 で作られた周波数カウンタに市販品の「高周波アンプ」をつないで、目標の 60MHz 程度の周波数まで計測できることは確認できているので、今回は簡易試験として部品箱にある部品で2段式のアンプを再現してみます。
(今回組み立てたアンプの構成図)

ただし、私は小心者なので使った部品などの詳細は記載しません。
(見かけたネット情報で、比較的古い FET を使っていたら「入手できない部品なんか使うな!」と苦情が書かれているのを見て怖気づきました。)

機能確認

目標最高周波数で十分に機能する FET とトランジスタを部品箱から探します。
その部品で検索すると、「Easy FC」の件でお世話になった CYTEC さんで沢山の回路例が公開されていることを知りました。
そこで、いくつかの回路例を使用させて頂くことを、サイト主様から許可を頂きました。
(CYTEC さんのサイトは、以下のリンクをご利用ください。)

性懲りもなく高周波回路をブレッドボード上で再現しています。
端子間の静電容量を下げるためには端子間を1つ以上開けて部品を配置すべきなのでしょうが、FET とトランジスタの足の間隔はどうにもなりませんね。

今回の測定最高周波数

今回も「FRMS2 + FREX」を信号源として使用しました。(最高出力周波数 200MHz)
この状態で計測してみましたが、ブレッドボード上の「いい加減な」回路でも 24 MHz まではカウントすることが出来ました。(50 Ω 終端も何もしていない状態です。)

結果はこんな感じです。
STM32 の周波数カウンタ単体では 200MHz 程度までの計測能力があります。
これにプリント基板上に実装したプリアンプを取り付けて、しっかりと表面実装部品で製作すれば目標の 60 MHz までは行けそうな気がしてきました。

次回の予定

次回はプリスケーラを試してみます。
現在も 24 MHz 以上の周波数の測定には STM32 の内蔵プリスケーラ機能を使用して計測を行っていますが、目標の最高測定周波数の 2.4GHz を実現するには専用のプリスケーラ IC を使用した前段回路が必要になります。

部品箱には(いつ買ったかも覚えていない)色々なプリスケーラ IC が死蔵されています。
それらの整理もかねて、実際の回路を組んでみます。

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