前回紹介したパワーバンク製作記事の終了時点で、もう1台分の部品と少しの予備の部品が余っていました。(リチウムイオン電池も沢山)
中々時間が取れずに先延ばしになっていましたが、最近は地震や災害級の悪天候のニュースが絶えないので、非常持ち出し用に追加のパワーバンクが欲しくなってきました。
そこで、今回と次回に分けてパワーバンクの製作記事をお送りします。
ちなみに、パワーバンクの定義ははっきりしませんが、大容量のモバイルバッテリ又は充電式のポータブル電源を、通称で呼んでいるようです。
パワーバンク関連記事は、下のリンクをご覧ください。
前回同様に使用している充電池は、破棄予定のノートパソコンから回収しました。
(ノートパソコンのバッテリの分解手順については、危険なので残念ながら公表しません。)
一応お約束ですが、
注意
今回紹介する「パワーバンク」は、破棄予定のノートパソコンのバッテリからリチウムイオン二次電池を回収して使用しています。
この回収作業は、広くて可燃物のない換気の出来る場所で行う必要があります。
回収作業においては、金属製の工具などを使用すると、少しの手順の誤りで火災が発生します。
また、自宅の敷地内で行っても、非常に急激な炎が発生して、近隣から消防に通報される恐れがあります。
当サイトは、この作業を推奨しません。新品のバッテリを購入しましょう。
回収を行う場合は、自己責任で行ってください。
パワーバンクの構成
前回のパワーバンクは、専用基板を3階建てで使用していたので、高さのあるダイソーの工具箱をケースに使用しました。

今回は、もう1台作成予定の「工具箱入りパワーバンク」用の材料を除くと、余っている基板が1枚だけなので、このサイズで「小型パワーバンク」を作ります。
使用した部品
すでに主要部品は部品箱に揃っているので、小型パワーバンクに必要なのはケースぐらいです。
ケース
今回は、中に入れる基板のサイズが決まっているので、ダイソーで良さげなサイズのケースを探しました。
そこで見つけたのが「はがき整理ケース」です。
色は白だけしか見当たりませんでした。

購入して試しに基板を入れてみました。
これ専用に作られたのでは?と思うぐらいピッタリサイズです。
下に隙間があるように見えますが、スイッチや降圧基板、USB 端子、LED などを入れると隙間はなくなる予定です。

使用した基板
今回の回路は計測機器などのようにノイズなどを気にしなくても良い、スマホなどを充電する電源装置なので、内蔵する部品類は基本的には自作せずに、部品箱の在庫にあった既製品を組み合わせて使いました。
+5 V 降圧基板
「Mini 560」という降圧基板です。
電圧の変換効率については調べていませんが、私がレギュレータ IC などで回路を組むよりは高効率でしょう。
何かに使おうと思って購入していた、出力電圧 5 V バージョンの在庫がありました。(出力電圧は縦に4つ並んでいる SMD 抵抗の上から3番目を交換すると変更できるようです。)
・入力電圧:5.5 V ~ 20 V
・出力電流:4 A(5 V 時)


USB 基板
USB A メス端子もコネクタに配線せずに、市販の変換基板を使いました。
VBUS に +5 V、GND にグランドをつなぐだけなので簡単です。(D+、D- はデータ通信用です。間違って電源をつながないでください。)

LED ユニット
電池型に残量が表示できる LED ユニットを使いました。裏に記載されている型番は MH-DL18S です。
この基板は、裏側のジャンパ設定で、18650 などのリチウムイオン電池を1セルから8セルまでの残量表示に対応しています。

写真は、動作確認用のタクト・スイッチを取り付けた状態です。
基板の接続
各モジュールをつなぐだけですが、「リチウム電池充電基板」以外を組み立てます。
回路を追加しました。メインスイッチを押すと電源が入ったのが分かるよう、5 V 出力部に LED と抵抗を接続しました。
残量表示 LED はメインのスイッチとは独立して、いつでも横のスイッチを押すと確認できるようにしました。

ケースの加工
ケースの加工は、プラスチックなので簡単です。
少し小さめになるように線を引いて、ハンドドリルで穴を開けてつなぎ、部品取り付け用の穴を開けます。
そして、配線した基板をケースに取り付けます。
試してみたところ、バッテリ残量表示用の LED は、ケース内に置いても外から透けて見えるので、内側に配置してみました。

接続
「リチウム電池充電基板」にリチウムイオン電池を入れて、出力端子を試験的につないでみます。
この状態で USB 端子に +5 V が出力されることと、残量表示が機能するか確認してみました。
動作は OK ですね。

完成と動作確認
完成した小型パワーバンクの内部です。
左下部分は余裕があるので、必要ならば充電用の USB 端子を増設出来ます。

下の写真は外観です。スイッチが見えないと、タダのはがきケースですね。

バッテリ残量表示は普段は使わないので、フタロックの内側に配置しました。
写真はピンボケですが、青いスイッチを押すと、いつでも残量が確認できます。
現在は満タンなので、緑色のインジケータが4つ点灯しています。

充電端子の入力電圧は DC 12 V です。
評価
1本ごとに計測したら平均 2 000 mAh 以上のバッテリを6本内蔵したので、合計で 12 000 mAh程度の実力がある小型(はがきケースサイズ)のパワーバンクが、余剰在庫を使ったので実質無料(ケース代の110円)で製作することが出来ました。
防水機能などはありませんが、避難してすぐで充電が出来ない場合に、スマホを2~3回充電するぐらいには使えそうです。
満足度は90点です。
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