高分解能周波数カウンタ(RFC-7)の組み立て例2

おじさん工房さんが設計された「高分解能周波数カウンタ RFC-7」の製作例を紹介します。
前回紹介した私の製作例は、以下のリンクをご覧ください。

今回ご紹介するのは、GPS を使った 10 MHz 信号を利用した単体で高精度に動作する改造された RFC-7 です。
製作者は、当ブログをご覧になって連絡して頂いた方です。
タカチ製のケースに、たくさんの機能を組み込んでいます。(ペコちゃんのシールが可愛いですね。)

送っていただいた「高性能周波数カウンタ RFC-7」の写真と文章を紹介します。

10MHz基準入力には、外部信号、内部GPS信号、内部VCOCXO信号の三種類があり計器起動直後は、GPS信号で起動後VCOCXO信号が安定した時点で、VCOCXOに切り替えています。

切り替え直後は、起動渋滞信号が瞬時点灯しますが、オリジナル製作者である小川様のソフトによるこの事象に関する技術的回避が行われています。

パネル正面のゴチャゴチャした配線は表示ランプ用です(アナログ表示なので表示ランプで確認できるようにしています)

RFC-7の内部です。
カプトンテープで発信器(VCOCXO)・熱絶縁材を基板に固定しています。またその下には定電圧発生IC(REF5040)を組み込んだ基板を設置した二階建て構造で、発信器のコントロール部に一定の電圧を供給しています。

茶色のCuケース内にクリスタルフイルタを入れています。クリスタルフイルタを通すことにより、GPS10MHz
を使用しても、最低有効桁が1mHz台(Gate Time:2秒)です。カプトンテープで固定している部品がVCOCXO発信器で、制御はしていませんがコントロール部にはTEXAS製 REF5040にて作った信号電圧を印加しています。熱変動により数時間で15mHz程度変化しますが、最低有効桁は0.1mHz台で推移しています。信号電圧の変動は0.3~0.5mV程度です。(スポットなので正確ではありません)

左側がUVHF帯の入力でプリスケーラにはMB506を使用しています。右側がHF帯の入力でアンプ回路には電流帰還形OPアンプ(OPA2677)を使用しています。電流帰還形OPアンプの場合、帯域幅が問題となり
ますが、現在のところ計測に問題は生じていません。

GPS信号信号用NEO-8と設定するためのRS232Cです。出力は10MHzに設定していますがスプリアスが多いため、クリスタルフイルタを介し他後信号源として使用しています。

三種類の信号の切り替えは、高周波継電器のコイルを前面トグルスイッチにより励磁させ行い、活用している信号は
LED表示しています。(茶色の縦長の部品)

メイン回路の基板です.ユニバーサル基板を使用していますので、プリント基板製作の計器に比べ配線がゴチャゴチャしています。ソフトはパオ様のサイト導入記事を参考にしながら書き込みました。

NEO8でGPS信号を受信し10MHzを作っていますが、Cu製のシールド筐体内のクリスタルフイルタで近接するスプリアスを除去しています。本装置を設置する前はGPS10MHzを内部基準発信器として使用した場合、有効最低桁が100~10mHz台でしたが、設置後は1mHz台まで低下しました。

基本的には10MHz(VOXOX)にて運用しています。RFC起動直後の発信器の不安定動作時は、起動渋滞信号が点灯し表示が乱れますので、GPSの信号は起動時使用しています。
基準発信部は、「外部信号」「VCOCXO信号」「GPS信号」の三系統を高周波リレーにて切り替え運用しています。なお、VCOCXOの制御は一定電圧制御なので、気温の上昇なので数時間単位で表示周波数が15mHz程度変動しますが、有効最低桁が0.1mHz台で標準偏差も200~300μHzを維持しており素人が使用する分には問題ないと思っています。
Cu製シールド筐体の下にGPS信号回路(RS232C含む)基板、TERA TERM回路RS232C含む)基板の三階建てです。TERA TERM回路はまだ使用した実績はありません。

 144MHz以上の計測に関しては、FRMSにて計測しましたが、それ以上に周波数は430MHz無線機の漏洩電波にて簡易的に計測しただけですので、正確な計測は行っていません。

回路図

オリジナルからの回路図の変更部分です。
(オリジナルの回路図は、おじさん工房さんからの引用です。)

入力切替回路です。

小さな SMD 部品を変換基板上に実装して高周波回路を動作させる技術力と、表面スイッチで入力切替などが行えるようにした操作性、そして、GPS を内蔵した高安定性を実現しているところが、すごい製作例だと思いました。

オリジナルの RFC-7 を製作された、おじさん工房さんの掲示板では、他にも改造型の情報などがアップされていますので、是非ご覧ください。

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