身分証明カードの持ち主

前回、電子化された車検証について色々と調べました。
そして、電子車検証は国土交通省の所有物で、私たち車両のユーザは費用を支払って使用権(閲覧・携行義務)を与えて頂いていることが分かりました。(詳細は前回の記事をご覧ください。)

それじゃあ、他の身分証明などに使う、身近なカードの事が気になりますよね?
分かりました。調べるのは面倒なので、私が代わりに調査しましょう!

今回調べたのは、
1 マイナンバーカード
2 パスポート
3 運転免許証
4 在留カード
・参考として
5 電子車検証
6 クレジットカード
7 ETC カード
8 Suica
です。

なお、ネット検索では詳細が出てこなかったので、生成 AI に調査してもらいました。生成 AI は、ChatGPT と Grok を使いました。(間違いがあったら教えてください。足りないカードがあったら追加します。)

マイナンバーカード

現在のマイナンバーカードは2016年に配布が開始されて来年で10周年ですが、2028年をめどに「新型」が出るようです。
まだ詳細は不明ですが、カードのデザインや IC チップの暗号化技術も更新され「マイナンバーカード」という名称の変更も予定されているそうです。(現在もカード表面にはマイナンバーカードではなくて「個人番号カード」と書かれています。)

また、「国家公務員身分証明書ICカード」という名称で、マイナンバーカードに国家公務員の身分証明機能を持たせたシステムを、NEC が内閣官房へ「共通発行管理システム」として提供しています。

外観(総務省 HP より引用)

「新型カード」のデザイン案(デジタル庁 HP より引用)
(性別は印字が削除されましたが、それなら、住所と生年月日は個人情報保護のためにも、表面じゃない方が良さそうですが・・・)

発行元と所有者

発行元:地方公共団体、仕様は国(デジタル庁/J-LIS)が管理
所有者:個人(交付された個人)

カードの規格

ISO/IEC 14443 Type B(NFC対応)を使用
セキュリティが高いType B規格。ICチップ内に公的個人認証AP、券面事項確認APなど4つのアプリケーションを搭載。電子証明書機能あり。

費用

初期費用:無料
再発行手数料:1,000円(地方自治体により異なる。)
製造コスト:800円(推定)

所有者の再確認

今回、調査したマイナンバーカード以外のカード類は、発行元の各省庁(国)などがカード類の所有者でした。
しかし、マイナンバーカードだけが「無料」で、個人に所有権があると生成 AI が回答したので、間違いがないか再確認しました。

1 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」の第20条(譲渡等の禁止)で、カードの譲渡が禁止されています。これは発行された個人に所有権がある証拠です。

2 総務省・デジタル庁の公式説明では、マイナンバーカードは「所有者」(交付を受けた個人)が同意した場合に限り、印刷面のコピーが可能とされています。

3 個人情報保護法上の所有権
個人情報保護法において個人データの所有権はその個人にあるとされている。マイナンバーカード内の個人データも個人に所有権がある。

これらの情報から、マイナンバーカードの持ち主は、カードが発行された個人で間違いないようです。

パスポート(旅券)

パスポートは、2025年3月から新しい物が配布されています。(顔写真ページがプラスチック製になり、レーザー印字)

外観(JAL HP より引用)
左上:紺色 5年用
右上:赤(えんじ)10年用
左下:緑色 公用旅券
下中:茶色 皇族や閣僚、外務公務員が使う外交旅券
右下:紺色 緊急旅券(在外公館において特別な理由があるときに即時発効)

内部(顔写真のページ)

内部(IC チップのページ)

発行元と所有者

発行元:外務省
所有者:国(外務省)

カードの規格

ISO/IEC 14443 Type B(ICAO Doc 9303準拠)を使用
バイオメトリック・パスポートとして顔画像・指紋などの生体情報を記録。非接触ICチップをプラスチックカードに格納。セキュリティ性能が高いType B

費用

初期費用:16,300円(10年有効、窓口申請)
再発行手数料:新規申請費用 + 追加手数料(例: 5年以内未交付失効の場合、追加4,000円)
製造コスト:1,900円(推定)

運転免許証

2025年3月から、マイナンバーカードに統合した「マイナ免許証」制度が開始されたので、「マイナ免許証」の場合はマイナンバーカードが免許証になりますが、免許の有効期限・種類や臓器提供の可否などはカード内容を読み込まないと分からなくなりました。

2025年3月以降も旧来の免許証の発行は行っているので、3種類から選べます。
・旧来の運転免許証:従来のカードが支給されます。 2,850円
・マイナ免許証:運転免許証は支給されません。 2,100円
・「二刀流」:マイナンバーカードにデータを統合し、運転免許証も支給 2,950円

外観(警察庁の HP から引用)

発行元と所有者

発行元:都道府県公安委員会・公安委員会・警察庁
所有者:発行機関(都道府県公安委員会・公安委員会・警察庁、国)

カードの規格

ISO/IEC 14443 Type B(JIS X 6322-2 B型)を使用
ICカード型運転免許証に搭載。取得履歴や本人情報を記録。セキュリティレベルが高く、CPU搭載必須。非接触読み取り可能

費用

初期費用:約4,150円(試験手数料1,800円 + 交付手数料2,350円、2025年3月以降)
再発行手数料:2,600円(通常の運転免許証)、1,500円(マイナ免許証の場合)
製造コスト:1,200円(推定)

在留カード

日本国籍の無い方に出入国在留管理庁が、責任をもって身元を保証する証明書です。

外観(出入国在留管理庁 HP より引用)

発行元と所有者

発行元:出入国在留管理庁(法務省管下)
所有者:国(出入国在留管理庁)

カードの規格

ISO/IEC 14443 Type B(JIS X 6322-2 B型)を使用
券面情報(氏名、生年月日、国籍、在留資格、在留期間、住所など)をデジタルデータとして格納。画像データはJPEG2000フォーマットのカラー画像を使用。データは暗号化

費用

初期費用:無料
再発行手数料:原則無料(写真変更は 1,600円)
製造コスト:500円(推定)

電子車検証

これ以降は、身分証明書としては使用できない IC チップが内蔵されているカード類です。
電子車検証は、前回の記事で詳しく調べたので、気になる方はそちらをご覧ください。

外観(国土交通省 HP より引用)

発行元と所有者

発行元:国土交通省
所有者:国土交通省(ICチップの情報は国土交通省が管理)

カードの規格

FeliCa規格(非接触ICタグ)を使用
A6サイズの厚紙にシールタイプのICタグを貼付。車検証閲覧アプリ(PaSoRi対応)で読み取り可能。ICタグに車両情報(有効期間、所有者・使用者情報など)を記録。空き容量で利活用アプリ追加可能

費用

初期費用:車検費用に含む(1,800円程度)
再発行手数料:350円
製造コスト:40円(推定)

クレジットカード

これ以降は、民間の発行するカードです。

クレジットカードの概念の発祥は1910年頃のアメリカですが従来の紙製の小切手形式などでした。現在のプラ製のカードと運用方法を開発・使用開始したのは1960年の日本ダイナースクラブです。

外観(Wikipedia より引用)

発行元と所有者

発行元:カード発行会社
所有者:カード発行会社

カードの規格

ISO/IEC 14443 Type A/B(EMVコンタクトレス、NFC)を使用
タッチ決済対応。Visa/Mastercard/JCBなどの国際ブランドでType A/Bを採用。暗号化でセキュリティ確保。近距離(10cm以内)通信

費用

初期費用:カード会社による
再発行手数料:カード会社による
製造コスト:500円(推定)

ETC カード

日本国内の高速道路をキャッシュレスでスムーズ、お得に利用できるカードです。

外観(三井住友カード HP より引用)

発行元と所有者

発行元:カード発行会社
所有者:カード発行会社

カードの規格

SO/IEC 7816(接触型ICカード、ID-1規格準拠)を使用
クレジットカード サイズのプラスチックカードにICチップを埋め込み、ETC車載器との物理的接続端子を備える。ICチップにカード固有情報(契約者ID、利用履歴など)を記録。車載器に挿入して使用し、無線通信(DSRC)で料金所とデータ交換。セキュリティが高く、改ざん耐性あり。

費用

初期費用:通常無料
再発行手数料:1,100円程度(カード発行会社による)
製造コスト:500円(推定)

Suica

JR など交通機関の利用の他に、買い物にも使える便利なカードです。

外観(JR 東日本 HP より引用)

発行元と所有者

発行元:JR東日本
所有者:JR東日本

カードの規格

FeliCa規格(Sony独自)を使用
交通系ICカードの標準規格。高速通信(約0.1秒)。RC-S853/854チップを使用。電子マネー・交通決済に特化

費用

初期費用:デポジット500円 + チャージ分
再発行手数料:520円 + デポジット500円
製造コスト:500円(推定)

コスパ

お役所など行政の仕事にコストパフォーマンスは関係ないと思いますが、一応、計算してみます。
計算は、発行代を推定単価(Grok 推計)で割ったものなので、国民が何倍のコストを払っているかになります。
・マイナンバーカード:0倍
・パスポート:8.6倍
・運転免許証:3.5倍
・在留カード:0倍
・電子車検証:47.5倍

これを見ると、電子車検証は飛び抜けてボッている高コストであることが分かります。
海外で安全を保証してくれるパスポートが 8.6倍、公道で車両の走行を可能としてくれる運転免許証が 3.5倍なので、電子車検証は(個人的には)推定単価40円の 3倍以下の100円程度に値下げするべきだと思います。

さらに、電子車検証は変更事項がないと継続使用できるので、用紙を再利用して発行単価がゼロ円になるので∞倍です。
加えて、電子化で300円ほど値上げしておきながら、オンライン化で国交省(運輸支局)の職員は業務が激減しているという「国交省にとってハイ・コストパフォーマンスなカード」です。

まとめ

各カード類を一覧表にしました。
この表だけを見れば、無料で国が作ってくれて、個人が所有者のマイナンバーカードが最強ですね。(発行枚数では、もちろんクレジットカードが一番です。)

こうやってまとめてみると、所有者が誰かは各カード類に書いてある役所名で分かりますね。

種類発行元所有者単価発行代発行枚数
マイナンバーカード地方公共団体個人(交付された個人)800円程度無料約98,000,000枚
パスポート国(外務省)国(外務省)1,900円程度16,300円約22,000,000冊
運転免許証都道府県公安委員会/警察都道府県公安委員会/警察1,200円程度4,150円約82,000,000枚
在留カード国(出入国在留管理庁)国(出入国在留管理庁)500円程度無料約 3,600,000枚
電子車検証国土交通省国土交通省40円程度1,800円程度約60,000,000枚
クレジットカードカード発行会社カード発行会社500円程度カード会社による約314,000,000枚
ETC カードカード発行会社カード発行会社500円程度通常無料約30,000,000枚
SuicaJR東日本JR東日本500円程度500円 + チャージ約70,000,000枚

さらに、マイナンバーカードがこの中では唯一の「空き容量を使ったサービス」が実際に使用者に受け入れられているカードと言えます。

マイナンバーカードの活用例
自治体などの例
・健康保険証
・確定申告
・コンビニ交付サービス(住民票など)
・選挙の投票所入場受付
・図書館利用カード
・高齢者用送迎タクシーの管理

民間の例
・住宅ローン契約時の本人確認
・民間企業の社員証
・機密情報を取り扱う部屋の入室管理
・個人情報を取り扱う端末の使用権限
・銀行・証券口座登録時の本人確認
・イベントチケット購入・会場入場の本人確認

マイナンバーカードは所有者が個人なので、色々なサービスを利用する際に、他のカード類と違って国(発行役所)の許可が必要ありません。
また、カードの(未使用部分への)書き込みも本人の許可があれば、行政書士などの手続きも不要です。
電子車検証と違ってプラ製なので耐久性も十分で、再発行も各自治体で簡単に行えます。

前回深掘りした電子車検証は、マイナンバーカードと同様な空き容量を使った各種サービスを目指しているようですが、自治体や民間企業からの応募はゼロのようです。
紙製で破損しやすく、A6 サイズで他のカードより巨大、車内に常備しなければならない媒体を、持ち出して各種サービスに使う事が起こるとは思えません。2匹目のドジョウは難しいでしょう。

Grok による概算計算ですが、車検証の電子化に要した金額は最低でも年間約80億円だそうです。これは、車検の手数料収入(年間概算額90億円)以下なので赤字にはなりませんが、巨額の資金で車検証を電子化する必要はあったのか疑問に思いませんか?

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