レーザーカッターの製作 その6(フレームの製作)

レーザーカッターの製作です。まずはアルミでフレームを組み立てます。
アルミフレームの材料は、3Dプリンタを改造したときに使っています。大丈夫でしょう。
(ところが、この後、大きな間違いが...)

3Dプリンタのフレーム

以前組んだ3Dプリンタ

3Dプリンタを改造した時の事です。まったくの素人が、初めてアルミフレームを組んだのですが、知らなかったことの1つ目が材料に種類があることです。
アルミフレームで検索すると、MiSUMiさんのページ(https://jp.misumi-ec.com/)に多数のフレーム材の情報が出ています。そちらでは標準タイプ(HFS)以外にも軽量タイプ(EFS)や高剛性タイプ(GFS)などがカタログに出ています。
「そんなに力もかからないから、標準タイプの安いのを探そう!」
そこで、標準タイプの適度な長さの物を通販でたのんで、必要な長さに切断して3Dプリンタのフレームを組みました。

レーザーカッターの製作開始

今回、レーザーカッターを作るのには、アルミフレームを450mm1本、400mm2本、380mmが2本必要です。
計ってみると、3Dプリンタで使っていたアルミフレームが、そのまま使えるちょうど良い長さでした。(380mmは、400mmが4本あるので加工すればOK)

レーザーカッターのフレーム

組み立てます。
3Dプリンタを組み立てた時のフレームは立方体だったので、ボルトを締めれば自然にしっかりと固定されて角も90度が維持されていました。
ところが、今回は2次元の四角だけなので、どうしても角がしっかりと90度になりません。

フレーム組立治具

探していると、「rin_ofumi」さんの「きっと何かに役立つでしょ!?」の「FABOOL Laser Mini 3.5W (改造編)」のページ(https://kitto-yakudatsu.com/archives/1006)に素晴らしい情報がありました。

公開されている、フレームをしっかりと90度で組み立てるための治具を「FABOOL Laser Mini用の組み立て補助直角治具」(https://kitto-yakudatsu.com/page-487)から入手します。

公開されている補助直角治具

このデータを3Dプリンタで4個プリントして、四隅にはめて以前AliExpressから購入した「Tナット」を入れて、「コーナーブラケット」で固定します。

フレームの組立

Tナット
コーナーブラケット
3Dプリンタでプリントした補助直角治具を取り付け
四隅がしっかりと90度になっています。

4人で固定しながらではないと無理な組立工程が、簡単に出来ました。(データの公開に感謝です。)

ローラーと「直動機構」

次に、3Dプリンタでは使っていなかった、ベアリングを使ったローラーの「直動機構」を試験します。
まずは、「Smart Laser Mini」のパーツを公開されている「SMART DIYs」さんのページから設計データを入手して3Dデータを作成しようとしましたが、「TsubokuLab」さんが「Arduinoでレーザーカッターを自作してみる」のページ(http://teruaki-tsubokura.com/Lab/arduino_lasercutter_02/)で3Dプリンタ用データ(https://www.thingiverse.com/thing:2053642)を公開されていました。これを利用させて頂きます。プリントしたパーツに、AliExpressで購入したリニアレール用部品を組み込みます。

公開されている3Dプリンタデータ
リニアレール用部品
組み立て完了
あれ?入らない??

組み上がってアルミフレームにリニアレール用部品を入れてみますが「あれ?入らない??」
写真では見づらいですが、アルミフレームの溝にプラ製のローラーが入りません。
「3Dプリンタのサイズミスかな?」再確認しているときに、気が付きました。
「必要なアルミフレームは、400mm V-slot...」「V-slotって何?」

Vスロット?

確かに、AliExpressで購入した「リニアレール用部品」にも「Vスロット」と書いてありましたが、何か私には関係ない物かと。

調べましょう。
要約すると「OPENBUILDS(https://openbuilds.com/)」で扱っている「直動機構」を安価で実現するための特殊なアルミフレームです。
「ダメじゃん」

V-slot用のアルミフレームを買い足しました。

通常のアルミフレームとV-slot

断面の比較です。全然違います。
左が3Dプリンタでも使用した通常のアルミフレーム、右がV-slotです。
V-slotは、ローラーが入るようにV型に溝が彫られています。通常のフレームはそれがないので、ローラーが入らないのは当たり前ですね。

V-slotにしたら入りました

今度は大丈夫です。よく見るとローラーはV-slotにかみ合うように45度にカットされています。片側を通常のナットに外側を「偏芯ナット」にすることで、後からローラーのかみ具合を調整できます。

各パーツの組立

これからは順調にいきました。
「rin_ofumi」さんのページから必要なデータを入手して3Dプリンタでプリントし、部品の組み合わせを加工して(3Dプリンタの部品は、どうしても糸引きやバリが出るので後処理が必要です。)準備完了です。各パーツを組み立てます。

「プーリーホルダーBパーツ」を組み立て
組み合わせて「プーリーホルダー」が完成
「モーターホルダー」にモーターを取り付け

Y軸フレームの組立

これを2組作って、完成している四角いフレームに取り付ければY軸は完成です。

Y軸先端部分に「プーリーホルダー」を取り付け
Y軸後端部分に「モーターホルダー」を取り付け
Y軸フレームが完成

四角のフレームの横軸が「380mm アルミフレーム」で、縦軸が「400mm V-slot」です。

X軸フレームの組立

残りの「450mm V-slot」(X軸用)の両端に「リニアレール用部品」を取り付けます。
オリジナルの組み立て順では、Y軸の手前側の「380mm アルミフレーム」1本を取り付ける前に「コの字型」の状態でX軸を組み入れるのですが、Y軸の直角を出したかったので四角に組んだ後にX軸を取り付けました。

X軸のローラーをY軸に取り付け
X軸用プレートとモーター

X軸には、プレートに取り付けたサーボモータと反対側にプーリーが付くのですが、これはベルトを張るのが難しそうなので、調整可能なテンショナー(「CR-10 Mod – X axis Tensioner」(https://www.thingiverse.com/thing:2854971))を3Dプリンタで作成しました。

X軸用のテンショナー
X軸にテンショナーを取り付けた状態
X軸の反対側にモータープレートを取り付け
X軸のレーザーユニット取付部品

レーザー取り付け部品

X軸のプレートには、直接レーザーユニットを取り付けずに、Thingiverseで探してきたレーザーユニットの位置を上下に調整できる取付部品「Laser quick release + Z axis fine adjustment(https://www.thingiverse.com/thing:4061802)」を取り付けました。
そして、X軸とY軸に凸凹側が内側になるようにタイミングベルトを取り付けて結束バンドで固定します。タイミングベルトは、ピッタリとV-slotの溝に入る設計になっています。
「偏芯ナット」でローラーがスムーズに動くように調整して、フレームは完成です。

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