先日、RFC-5 周波数カウンタ用のプリント基板をお送りした方から、完成報告を頂きました。
自分で作った基板が動いているという連絡をもらえるとうれしいですね。
今回は、その方が(最初の製作例なので、仮にAさんとします。)製作した RFC-5 の紹介記事です。
(高性能な周波数カウンタ RFC-5 の設計者は、おじさん工房さんです。)
なお、今までの周波数カウンタ関連記事は、以下のリンクから確認できます。
RFC-5 基板
最初に製作した RFC-5 用のプリント基板です。
左上側にオリジナルの5倍アンプが、左下側に追加した「20 dB プリアンプ」のパターンを作っています。

右半分は、ノイズの多い電源部とデジタル部なので、グランドを別にしています。
製作例
メールで頂いた、製作例に同梱されていた基板の写真です。
下側の 20 dB プリアンプ側に BNC 端子が付いていますが、動作確認用に上側の5倍アンプ部分にも部品が実装されています。
(その後、5倍アンプを切り離すため、ジャンパ抵抗を取り除いています。)

良く写真を見てみると、20 dB プリアンプ部には試験用のローノイズ電源部の部品も実装されているようです。
下図が、私が試作した 20 dB プリアンプ版の基板です。
動作確認用なので、5倍アンプとローノイズ電源部には部品を実装していません。

回路図的には、黄色い枠内の回路がローノイズ電源部です。
小型の SMD 部品で「120uF」と「1000uF」のコンデンサが見つからなかったので、省略していました。
確認したところ、Aさんはどちらも 47uF のコンデンサを使用したそうです。

完成写真
Aさんの RFC-5 完成写真です。
アクリル板で周波数が見やすいケースに仕上がっています。
充電池が内蔵されているので、持ち運びにも便利そうです。
プリント基板は固定用の穴が開いていないので、アクリル板に強力な両面テープで固定したそうです。
表示されている周波数を見て驚きました。
なんと、20 dB プリアンプ使用で 350 MHz まで計測できています!
(私の製作例では、上限が 90 MHz で限界でした。)

2つ目の製作例
2つ目の製作例は、私がお送りしたプリスケーラ基板は使用していますが、RFC-5 部分はユニバーサル基板上に組み立てられたオリジナルの作品です。
切替式ではなく、プリスケーラ回路内蔵で高い周波数特化型の RFC-5 です。

プリスケーラ基板は、ユニバーサル基板の下にあります。

完成写真です。

こちらの周波数カウンタの計測可能周波数範囲は、
・下限周波数:70 MHz
・上限周波数:2 GHz(Aさんの信号発生器の上限)
ちなみに、使用しているプリスケーラ IC は、秋月電子でも手に入る uPB1507 です。
私の製作例との差
私が組み立てた際との性能差です。
(Aさんのプリスケーラの計測上限は、信号発生器の上限)
20dBアンプ上限 | uPB1507下限 | uPB1507上限 | |
Aさん | 350MHz | 70MHz | 2GHz |
私 | 90MHz | 240MHz | 3.3GHz |
こうして見ると、別物のように私が作った RFC-5 は性能が低いですね。
どうしてでしょうか?
組み立て方の違いから、性能差の理由を考えてみます。
・20 dB プリアンプのローノイズ電源の有無
20 dB プリアンプを使って上限周波数が大きく違うのは高周波回路の基板化の段階で、部品配置が悪いためだと思っていましたが、電源回路で違いが出るのでしょうか?
・uPB1507 プリスケーラ基板の ECL 変換回路の有無
uPB1507 には ECL 変換回路が必要なさそうなので、回路を省略する懸賞を行おうと思っていました。
今後の確認事項
Aさんの完成報告を見て、性能の差にビックリしました。
(完成報告を頂き、ありがとうございます。)
しかし、上で記載した2つの周波数カウンタの違いは、簡単な回路の修正で確認できます。
特に、20 dB プリアンプを使って測定周波数が上昇すると、大変使いやすくなるので、次回はこの部分の検証を行いたいです。
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