GPS アンテナの簡易防水対策

最近、「高精度病」という病気が再発しました。
特定の人に発症するズレのない高精度な信号源が欲しくなる、病気的なものですね。

この病気（？）の特効薬には、GPS を使った GPSDO（GPS Disciplined Oscillator：GPS 基準周波数発生器）やルビジウム（セシウムはとても高価）の標準信号発生器の入手が有効です。

しかし、２年ほど前に作って安定していた GPSDO の調子が良くありません。
現在、色々と対策を試みていますが不調の原因が分かりません。

そこで、安定度に影響すると考えられる GPS アンテナの設置場所を改善するために、雨天でも屋外でアンテナが使えるように GPS アンテナの防水対策をします。

防水型 GPS アンテナ

実は、持っている GPS アンテナの１つは、防水型です。
こんな形をしていて、入手した時に「漁船など屋外で使うための物」と書いてあったのです。結構昔に eBay で購入しました。

型番は「CCAG23ST15」で、パナソニックではなく旧社名の「Matsushita Electric」製です。
GPSDO で使うまでは部品箱に眠っていました。

手元にある取説は、（多分）同じ物の型番違いで「VIC-5 HS Fleet Management Antenna」となっています。
Total Gain が、24 dBi
Noise Figure が、1.0 dB
電源は、5 V、20 mA

商品名は、民生品ながら「Fleet Management Antenna：艦隊統制用アンテナ」などという軍用を想像させるモデルなので、当然ながら、多少の雨でも問題なく動作していて、屋外で使用しています。

ベランダの手すりに、一時的に固定している GPS アンテナ（下部の固定台は、プロテインヨーグルト oikos の空容器）
本当ならば受信感度を上げるために、アンテナ下面に金属板が欲しいところです。

持っているもう１つの GPS アンテナは、良くあるタイプの GPS アンテナです。
一応、プラ製のケースには入っていますが、隙間があって水が入ってきます。
内部のアンテナ部分は当然ながら防水対策はされていません。

中身には、こんな感じのアンテナが入っています。

GPSDO が１つならアンテナは防水用で間に合いますが、GPSDO をもう１つを使うためにはアンテナがもう１つ必要になります。
このタイプの防水型ではない GPS アンテナを、安心して雨天でも外に出せるように防水対策を行います。

防水対策のやり方を考えます。
といっても、すでに防水型のアンテナがあるので、そんなに長い期間、２つのアンテナを同時に使用するつもりはありません。
それなら、お金を掛けずに簡単に行いたいですね。

ところで、この GPS アンテナだけなら小型なので、ビニール袋に入れるだけで防水対策が出来ます。
しかし、GPS アンテナの受信感度を良くするには、アンテナの裏側に金属の板が必要です。
まあ、普通なら GPS アンテナは、自動車などの金属製のボディ上に設置する設計なのでしょう。

そこで、部品箱に余っている、ちょうど良い大きさのアルミ廃材をアンテナの下に敷いた状態で防水対策を行います。
仮押さえで、黄色いマスキングテープで留めていますが、この状態で入るケースを探します。

良いケースが無料で手に入りました。
豆腐のパッケージです。
普通のサイズでは大きすぎますが、この小型サイズの豆腐のパッケージが、ジャストサイズです！（もちろん、水気の多い豆腐を入れるためのケースなので防水はばっちりです。）

中身を食べて、資源回収する予定だったケースを洗って・乾かします。
横に SMA 端子が入るサイズに穴を開けます。

百均で材料用に買っておいた、プラ製の「まな板」をカッターで切り出します。
サイズは、9 cm X 9 cm です。

豆腐ケース内部に、アルミ板に固定した GPS アンテナを入れます。
このアルミ板は 6 cm X 6 cm ですが、測ったように本当にジャストフィットです。

豆腐ケースに両面テープを付けて、裏板を張り付けます。

SMA 端子を出した穴を、水が入らないようにホットボンドで固定します。
（ホットボンドは、以前に使った茶色の材料が混じって色が付いています。）

GPS アンテナの防水対策が完成しました。
作業時間は、１時間弱でしょうか。
（ゴールデンウイークの工作には、物足りない感じです。）

これで、多少の雨でも屋外に GPS アンテナを２つ出せるようになりました。
おかげで、GPS 衛星の補足数は格段に増加しました。

しかし、集合住宅の壁に穴を開ける訳にはいかないので、現在でもアンテナを外に出せるのは、窓を開けて置ける寝るまでです。（防犯上、就寝時に窓を開けたままなのは、怖いからです。）

GPS アンテナの防水対策は９０点ですが、根本的な対策を行った訳ではないので現状の満足度は７０点です。