周波数カウンタを作る企画の 15回目です。
今回は、製作したオリジナル基板で、動作が不良だった高周波アンプ部を改良した新基板を紹介します。
(高性能な周波数カウンタ RFC-5 の設計者は、おじさん工房さんです。)
なお今回は、この改良型基板に余裕があるので「無料配布」します。
詳細については、この記事の最後をご覧ください。
今回の記事は、プリント基板製造の PCBgogo さんに提供を頂いています。
「PCBgogo では、6月30日までキャンペーンを行っています。
1 ㎡ 以上の PCB 中小ロットをご注文いただくと、自動的に 15 % オフが適用されます。」


よろしければ、以下のリンクのクリックにご協力ください。
今までの記事の概略です。
1 siliconvalley4066 さんの「STM32F103C8T6で192MHz周波数カウンタ」を見て、この企画がスタート。TTL レベルで 66 MHzまで計測
2 市販品のアンプ(20 dBm 程度)をつないで 53 Mhz まで
3 手持ちの部品でブレッドボード上に作ったアンプで 24 MHz まで
4 自作基板でプリスケーラの機能確認(1/256、1/512)
5 おじさん工房さんの RFC-5 を組み立てる。測定周波数は ~ 1.3 GHz(プリスケーラあり)
6 RFC-5 のアンプ(120 MHz まで計測可能)と他の MCU(20 Pin)で動作確認
7 カウンタの入力を切り替える実験(40 MHz 程度までは切り替え可能)
8 RFC-5 をプリント基板化する前のアンプ類の接続方法の検討
9 RFC-5 のプリント基板の製造とオーダー
10 RFC-5 のプリント基板の動作確認が終了(測定上限周波数 190 MHz)、基板の無料配布を開始
11 RFC-5 プリント基板の組み立て方
12 RFC-5 プリント基板アンプ回路の評価
13 プリスケーラ基板の詳細な組み立て方法
14 LCD を I2C 変換アダプタのいらないタイプに交換
周波数カウンタの一連の記事は、以下のリンクからも確認できます。
現状の再確認
おじさん工房さんの高性能周波数カウンタ RFC-5 のプリント基板を作りました。
KiCad で設計して、PCBgogo さんにオーダーした基板は、通常入力側は非常に快調に動作していて 200 MHz 位まで計測できています。(プリスケーラなしの FET 1つを使ったアンプだけで、この能力はスゴイです!)

ところが、基板上に組み込んだおじさん工房さんが設計された「20dB プリアンプ部」は、本来なら(アンプ単体なら 500 MHz 位までという)広帯域に作られているのですが、私の基板設計が悪かったため 90 MHz までしか計れませんでした。
(おじさん工房さんの RFC-5 「20dB プリアンプ部」の記事です。)
製作した基板内の配置です。
右側は電源部です。残りの上半分がオリジナルの RFC-5 で、下半分に 20 dB プリアンプ部を配置しました。

20 dB プリアンプ部の部品の配置は、高周波信号が流れる部分を出来るだけ最短になるようにしたのですが、500 MHz までフラットな特性で設計されたアンプが、90 MHz までしか動作しないのはダメすぎますね。
やはり、素人が手を出すには、高周波回路のプリント基板の設計は難しかったようです。
プリアンプ部の改善
このままでは、せっかくの高性能な周波数カウンタが性能的に納得できない状態なので、なんとか改善策を考えます。
一番妥当な解決策は、高周波回路の基板設計方法を勉強して、再度、RFC-5 のプリント基板を作り直すことです。
しかし、もう一度自分で設計した KiCad のプリント基板が、ちゃんと動くか確証が持てるほどの知識を得るには何年かかるか分かりません。
そこで、妥協策です。
すでに動作が検証されている高周波アンプ基板を、そのまま周波数カウンタのプリアンプに採用します。
代替のプリアンプ
用意したのは、AliExpress で入手した高周波アンプ基板(1個500円以下)です。
販売店のページには「SPF5189Z」という高周波アンプ IC を使っていると書いてありましたが、シールドを開封して見ると「SBB5089Z」が搭載されているようでした。
データシートによると、
・SPF5189Z:50 MHz ~ 4000 MHz
・SBB5089Z:50 MHz ~ 6000 MHz
ということなので、RFC-5 のプリアンプに使うには、上限周波数は問題ないです。
この高周波アンプ基板の選定理由は、
・RFC-5 基板上の最大電圧が 5 V なので、電源電圧が 5 V
・動作周波数は 50 MHz ~ 500 MHz は確保したい。
・どこかで(信頼できる)検証済みの物
最終的に選んだのは、パッケージに「5-6000MHz」と書かれた 高周波アンプです。
このアンプ(と似た物)が、CQ 出版社の「RFワールド」誌 No.54「通販ガジェッツで広がる
RF測定の世界」の中で細かな性能が検証されています。

実際の検証内容は紙面を見て頂くとして、同一(と思われる)基板で、電源周りに 100 uF 程度のコンデンサを追加すると 1 MHz ~ 数 GHz までは、十数 dB 以上の利得が得られるようです。
また、搭載されている RF IC が異なる場合がありますが、信号の品質も思ったより良いようです。(お値段以上!)
では、このアンプ基板をつないで試験をしてみましょう。
市販アンプ基板を接続
アンプ基板の接続方法は、2種類を試してみました。
RFC-5 のアンプ部へ接続
オリジナルの RFC-5 には、信号入力部に FET 1個で出来た「5倍アンプ」が付いています。
その入力部へ市販アンプを接続しました。
結果はスゴイです。
プリスケーラなしの状態で 370 MHz まで計測出来ました!

直付け
市販アンプの出力を、直接 MCU の入力へ接続してみました。
FET の「5倍アンプ」がなくても、300 MHz まで計測出来ました。

オリジナルのままでは計測出来なかった微弱な信号でも、この市販基板で増幅することでカウントされるようになります。
さらに、そのままでは 200 MHz 程度が上限だった計測周波数が、300 MHz まで伸びました。
この結果を見れば、市販アンプ基板を乗せた新型 RFC-5 基板を作るべきですね。
新基板の製作方針
1 高周波アンプ部の下は何も置かない
前回の 20 dB アンプの性能低下で懲りたので、市販アンプを取り付ける部分の下になる部分は「更地」にします。
2 高周波アンプの電源に 100 uF を追加
購入した基板は、雑誌で使用している RF IC とは異なると思いますが「RF ワールド」誌での検証結果を取り入れます。
3 高周波アンプの出力は、2系統を選択できるようにする。
基板を組み立てるまでは、どちらが良いのか判断がつかないので、RFC-5 のアンプ入力部と MCU 入力部へ直結の2つをジャンパで選べるようにします。
KiCad で作図
おじさん工房さんの RFC-5 の配線図を参考に、市販基板を搭載できるように端子と関連部品を追加します。
前回のデータがあるので、配線図は簡単に出来ました。

次に、PCB エディタで基板の作図を行います。
こちらも、前回の作成経験があるので短時間で完成しました。
今回も、ケースに組み込むことを考えて、スイッチ部は別基板にしています。

基板のオーダー
前回同様に、お世話になっている PCBgogo さんに KiCad で設計したデータを圧縮して送信し、プリント基板をオーダーしました。
PCBgogo さんで安価に作れるプリント基板の最大サイズは 10 cm X 10 cm なので、ロジック・アナライザ基板と合わせて1枚に仕立てました。

この基板のロジックアナライザの製作記事は、下のリンクをご覧ください。
3.3 V 系の回路なら Raspberry Pi Pico だけで、5 V 系の回路でも少数の部品を追加するだけで 24 チャンネルで 100 Msps のロジアナが簡単に自作出来ます。(私の不注意で。配線が1本抜けていましたが・・・)
プリント基板をオーダー
今回も出来上がったプリント基板は、PCBgogo さんにオーダーしました。

PCBgogo さんでは、年間で数回は送料無料キャンペーンをやっているので、非常に安価($5)で10枚のプリント基板がオーダー出来ます。
ユニバーサル基板を購入するより安い価格で、気楽にプリント基板をプロにオーダー出来るので、プリント基板の自作に興味がある方は、ぜひご利用ください。
いつものように KiCad で作ったデータを圧縮して PCBgogo さんに送ると、担当者から日本語で連絡が来ます。
問題なければ製造許可を出すと、1日程度でプリント基板の製造が終わり、翌日には発送、次の日には日本に着いています。(製造と税関通過に2日間)
しかし、毎回思いますが国内に着いてから自宅に到着までの日数が長いです。
日本国内では税関で数日、国内輸送準備などで数日かかり、国内移動にさらに3日で合計1週間弱かかりました。(北海道だから?外国扱い?)
到着時の様子
今回、PCBgogo さんのパッケージが前回とは変更になっていました。
箱のデザインは同じ感じですが、サイズが1回りぐらいは大きくなっています。

以前は梱包された 10 cm X 10 cm の基板10枚を2つ入れると折り重なってパンパンに入ってきましたが、今回の箱なら余裕でした。

前回の箱の様子(こちらの写真の基板は1セットです。)

パッケージの状態です。
しっかりとプチプチで圧着されています。

出来上がった基板
到着したプリント基板は、いつもどおりに良い出来です。
電子拡大鏡で確認しましたが、細かなパターンも印刷された文字も問題ありませんでした。

この後、つながった基板を切り離します。
今回は、切り取り穴の隙間を小さく設定したので、丸のこを使わなくてもニッパで簡単に分解できました。(手でも折れます。)
バリをヤスリで削れば、きれいなプリント基板の出来上がりです。

基板への SMD 部品の取り付け
プリント基板へ表面実装部品を取り付けます。
今回も、自宅リフローで半田付けしました。
クリームはんだの塗布
OLEDオシロスコープ基板の時と同じく、カッティングマシーンでステンシルを作ります。
厚さ 0.1 mm 程度の透明な薄いプラ板をクラフトロボで切り抜きます。
(ステンシルの作り方は、以下のリンクをご覧ください。)
ステンシルを自分で作る方は少ないと思いますが、KiCad で作った基板データからステンシル用に変換したファイルを置いておきます。
(このデータがあれば、自宅でカッティングマシンを持っていなくてもレーザーカッターなどが時間レンタル出来る場合に格安でステンシルが作れると思います。)
出来上がったステンシルを、アルコールで洗浄・脱脂した基板に貼り付けます。
プリント基板にクリームはんだを塗布する際には、表面に着いた脂分でクリームはんだを弾いて付きが悪くなるのを防ぐために、必ずアルコールで拭いてから行ってください。
クリームはんだの塗布には、AliExpress で購入(300円程です。)した「クリームはんだ押し出し機」を使用しました。(写真の青い部分です。)
使い勝手はすごくいい感じです。
レバーを押し込むことで、微量のクリームはんだを楽々出すことが出来ます。
おススメです。

クリームはんだを、カッティングマシンで転写した後に細かな部品を乗せたところです。
SMD 部品を肉眼で正確に搭載するのは難しいので、電子拡大鏡を使いました。

ヒートプレートで加熱後です。
写真で見るとほとんど違いが分からないですね。

組み立て参考図
もし、同じ基板で RFC-5 を組み立てる場合の参考に、細かな部品の配置図を乗せておきます。
全体の 3D 図です。
実際に、市販 RF アンプ基板を乗せる時の端子とはオス-メスが異なります。
また、アンプ基板の出力ジャンパ(0Ω抵抗:R9、R10)は、便宜上2個ともついていますが、選択制です。

間違いやすい MCU と TCXO の向きです。

SMD 部品の配置図です。
製作時の注意点として、
中央のジャンパ(0 Ω)抵抗は、市販アンプの出力切替です。
最後の方で紹介する動作確認の部分を見て、どちらかを選んでください。
・R9:RFC-5 アンプの入力へ
・R10:MCU へ直結
高周波 FET につながる抵抗の値は、入手性を考えて「200Ω」になっています。
ここはオリジナルでは 150 Ωですが、FET を 2SK2394 に変更しているので、同じように製作した方は 180Ω にしています。
180Ωが手に入る場合は、180Ωにしてください。(この記事の最後に記載している、周波数の測定は 180Ωで試験しています。)

各端子の用途
基板上の各端子の用途です。
緑色で「GND」と書かれた方がグランドになります。
左下の「アンプ用電源SW」は、市販アンプ基板の電源端子へ +5 V を供給するラインです。
これは、RFC-5 を電池駆動した場合に、消費電流が多いアンプ基板の電源を使用しない時に OFF にするためのスイッチを取り付けます。
中央の「書き込み用3.3 V」は、ST-LINK/V2 を接続してファームウエアを書き込む時に外部電源なしで書き込むためのジャンパです。
このジャンパを 3.3 V 側に差し替えると、ST-LINK から供給される 3.3 V で外部電源なしで MCU に書き込みが出来ます。

各基板
RFC-5 に組み込む準備が出来た各基板です。
基板の種類は上段左から、
・スイッチ基板(まだスイッチが付いていないです。)
・高周波アンプ基板(SMA 端子は外してください。写真ではケースを外していますがそのままでOKです。)
・充電・昇圧基板(リチウムイオン充電池を使用するばあいに使います。)
下段が RFC-5 基板です。

RFC-5 基板へ端子などの取り付け
各基板を組み込む前に、RFC-5 基板に端子やスイッチ類が付いていないので、取り付けを行います。
基板の下側に伸びている配線は、黄色がアンプ基板の電源スイッチ、赤色と茶色がプリスケーラ用の電源です。

ST-LINK の接続
ここまで出来たら、ST-LINK/V2 を接続してファームウエアを書き込みます。
「書き込み用3.3 V」ジャンパをつないでから、ST-LINK/V2 を接続します。
(説明が逆になっていますが、充電・昇圧基板を先に取り付けました。)
ST-Link 端子は、そのまま刺せる配置になっています。(GND 側の確認をしてください。)
MCU と TCXO の向きが正しければ、「STM32 Cube Programmer」で基板上の「STM32G031J6M6」が認識できるはずです。

プログラムの書き込み
おじさん工房さんの RFC-5 のページの「■ソフト」項目にある「rfc-5_20220906.zip」をダウンロードします。(下のリンクをお使いください。)
圧縮ファイルを解凍すると、「bin」フォルダ内にコンパイルされた「main.hex」が入っています。
なお、初回の書き込みのみ、「おじさん工房」さんの RFC-5 の「■ソフト」項目の4行目で解説されているとおりに「初回のみ Option Bytes / User Configuration / NRST_MODE を 3 → 2 (GPIO) に変更」する必要があります(下図の左列アイコンの上から3番目の「OB」を押すと「Option bytes」画面が出てきます。)
そして必ず「Apply」を押してください。これを忘れると MCU は正しく動作しません。

「NRST_MODE」の書き換えが終わったら、左列アイコンの上から2番目を押して「Erasing & Programing」画面を表示させます。
「File path」項目で「Browse」ボタンを押して解凍した「main.hex」の場所を指定します。
「Start Programming」ボタンを押すと書き込みが始まります。
確認画面は内容の Verify(検証)も行うので2度表示されます。
新 RFC-5 基板の完成
プリアンプ基板などの各基板とBNC 端子の取り付けが終了しました。
プリアンプへの電源供給切替スイッチは小型のスライドスイッチを使ってみました。(ケースの形によっては変更するかもしれません。)
基板サイズは、前回作った RFC-5 基板とほぼ同じ大きさなので、3D プリンタで作った試作品のケースに入ります。
薄型の充電池を使用すると、手のひらサイズで高性能な周波数カウンタが出来上がる予定です。

ちなみに、周波数カウンタで計測周波数を安定させるためには、搭載されている TCXO の温度変化を可能な限り抑える必要があります。
ところが、今回の基板では市販 RF アンプ基板の配置を優先したために TCXO の位置が良くない感じです。
最低でも、基板上の TCXO をカプトンテープなどで被って熱の対流をさえぎる工夫が必要だと思います。(気休めかもしれませんが、対策例です。)

RFC-5 の動作確認
プログラムの書き込みが正常に行われると、リセットがかかって周波数カウンタのプログラムが起動します。
もし、液晶画面に「ERROR HSE」と表示された場合は TCXO が正常に動作していない事を表しています。TCXO の取り付け方を再確認してください。
最高周波数の測定
自作した信号発生器をつないで、計測できる最高周波数を見てみます。
通常側
通常側の BNC 端子に、ADF-4351 信号発生器をつなぎます。

210 MHz 位まで計測出来ました。


アンプ基板側
市販アンプ側に信号発生器をつなぎます。
最初は、R9 を短絡して RFC-5 のアンプを通した状態です。
なんと、プリスケーラなしで 360 MHz 位まで測定できました。
ADF-4351 信号発生器の出力レベルは、-4 dBm でも大丈夫でした。


失敗しました。半田付けして固定した市販アンプ基板の下に設定変更のジャンパ抵抗があるので、変更するのが大変です。
プリント基板の裏側にジャンパ抵抗を配置すべきでした。
まあ、一度組み立てたら変更する必要はないので深く考えないことにしましょう。
R9 を外して、0 Ω 抵抗を R10 へ移動しました。
結果は、事前試験の 300 MHz より高い 330 MHz 位までは計測できました。

信号レベルは、ADF-4351 のチップの設定で -4 dBm でも大丈夫でした。

市販基板の接続方法
この基板で、RFC-5 周波数カウンタを組み立てる場合の試験結果をまとめておきます。
表にするとこんな感じですね。
アンプ設定 | 上限周波数(MHz) |
オリジナル FET | 210 |
市販アンプ基板直結 | 330 |
アンプ基板 + FET アンプ | 360 |
この試験結果から、こんな使い方が想定されます。
・市販アンプ基板を使わない
オリジナル RFC-5 の FET を1個使った「5倍アンプ」だけでも 210 MHz まで測定できる、高性能な周波数カウンタが自作出来ます。
・市販アンプ基板のみ
アンプ部に使用する高周波用 FET の 2SK2394(又は BF862) が手に入らない場合は、完成品の高周波アンプ基板だけで周波数カウンタが構成できます。
ただし、下限周波数が数 MHz までしか計測できません。(使用する基板によって違ってきます。)
・市販アンプ + オリジナルアンプ
通常はオリジナル側で周波数を測定すると、1 Hz ~ 210 MHz 程度までカバーします。
信号レベルが低い時は、市販アンプ基板側に差し替えると、プリスケーラなしで数MHz から360 MHz 程度まで計測出来ます。
性能的には、これが一番のおススメです。
RFC-5 の操作方法
RFC-5 は高機能な周波数カウンタですが、MCU は 8 Pin なので使用できる端子が少ないです。
そのため、2つのタクトスイッチを長押しするなど、色々な操作方法で各種設定の操作を実現しています。
次の項目では、RFC-5 の各種操作方法を解説します。
通常モード
周波数を測定するモードです。
周波数の入力があれば、
・1行目に測定した周波数が表示されます。
・2行目の左端はプリスケーラの倍率
温度
ゲート時間
が表示されます。

通常モードの操作は、
・通常押し(短い押し)で、ゲート時間が増減します。
ゲート時間は、0.1s, 0.2s, 0.5s, 1s, 2s, 5s, 10s から選べます。
メニューモード
メニューモードに入るには、左右スイッチのどちらかを「長押し」します。
メニューモードも1行目は、周波数が表示されます。
2行目には、以下で紹介する設定の項目名が表示されます。

メニューモードの操作は、
・通常押しで、設定項目の内容を +/- します。
・左 SW 長押しで、通常モードに戻ります。(設定は保存しない。)
・右 SW 長押しで、項目を選択/実行します。(設定を保存する。)
1.AUTO F.ADJ
測定周波数が、1, 10, 100, 1k, 10k, 100k, 1MHz から 1Mステップで 100MHz までの時に周波数自動調整が機能します。(GPS の 1PPS でも自動調整できます。)
調整値は 10ppb(0.01ppm) 単位です。
自動調整後、調整値を手動で +/- できます。
2.FREQ ADJ
周波数を手動で調整します。スイッチで調整値を +/- します。
3.DIGITS
周波数表示桁数を± 1 増減します。
+1 または -1 のときは、通常動作モード時 LCD 2 行目右端に +、- マークがつきます。
4.PSC DIV
外部にプリスケーラーをつないだ場合、x64、x128、x256、に設定します。
通常動作モード時、LCD 2 行目左端に倍率を表示します。
5.COMMA
3 桁ごとの区切りカンマを 10 種類から選択します。
設定は周波数表示に反映されますので好みのものを選びます。
6.DISP HOLD
測定信号がなくなった場合、表示を消すか、前の測定値をホールドして表示するか選択できます。
ホールドにした場合、周波数表示の左端に H がつきます。
7.XTAL
TCXO の周波数を表示します。
TCXO は、10MHz, 13MHz, 20MHz, 26MHz が使用でき、起動時に周波数を自動判別します。
自動判別に失敗した場合は 0 を表示します。
8.VERSION
ソフトウェアのバージョンを表示します。
新型 RFC-5 プリント基板のお裾分け
最後に、いつも利用している基板製作メーカの PCBgogo さんで作った、新型の「おじさん工房さんの RFC-5 周波数カウンタ・プリント基板」セットを、ご希望の方に「無料配布」します。
(送料のみご負担ください。基板代・梱包代は無料です。返信用封筒も必要ありません。)
お送りするのは以下のプリント基板です。
・RFC-5 本体
・RFC-5 用分離スイッチ基板
商用目的でない場合の基板配布については、おじさん工房さんに許可を得ています。
具体的な応募方法(制限事項)は、以下のとおりとします。(OLEDオシロスコープ基板の配布と同じ方法です。)
・この基板の不具合などについては、オリジナルの製作者「おじさん工房」さんに質問しないでください。
・素人が設計した基板です。本職の方が見ると拙い部分が沢山あると思いますが、現時点ではこれが完成品です。
・基板は、簡単に切り離した状態です。けがに注意しながらご自分でヤスリ掛けをして下さい。
・お1人様 1セットまで。
・サポート、返品には応じられません。
・「無料配布」しています。オークションなどへの出品はしないでください。
・普通郵便の簡易包装で送るので保証はありません。普通郵便なので日本国内限定です。
・なくなり次第(応募される方は少ないと思いますが・・・)終了します。
・この記事へのコメントの形でご連絡ください。(連絡が付くメールアドレスを忘れずに記載してください。)
・記入して頂いたコメントは公開せずに、直接メールで必要事項を連絡させて頂きます。
・普通郵便の切手代の110円をご負担ください。お送りいただいた110円切手が到着次第、その住所へ基板をお送りします。
今後の予定
前回の周波数カウンタを作る 14では、これからやりたいリストを4つ書きましたが、下の3つは実現できました。
・プリアンプの改善
・ロジックアナライザの製作
・RFC-7 の組み立てです。
残りは、RFC-5 のケース設計と製作だけになりました。
他にも色々とやりたいことがありますが、出来ればゴールデン・ウイーク中に、RFC-5 周波数カウンタのケースを完成させたいなぁ・・・
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