10MHz GPSDO を組み立てる その7(OCXO交換)

「10MHz GPSDO」はOCXOに「Trimble 49422-0」を使用して、とりあえず動作は確認できました。
しかし、OCXOの安定度が良くないために半日の間に ±2/100 Hz 程度の揺れがありました。

今までの製作過程をまとめました。ご覧になるには以下をクリック。

OCXOの交換

今回製作した「10MHz GPSDO」には、EFCをプラス電圧にして周波数が増加するものが必要でした。
そのために、手元にある内でその条件に合う一番安定度が高い OCXO が「Trimble 49422-0」でした。ところが、思ったように周波数を安定させることが出来ませんでした。

どうやら、少しの EFC 電圧で周波数が大きく動くことが原因のようです。
GPS モジュールを「位置固定設定」にしてみましたが、それでも思っていた性能には届きません。
(GPS モジュールを「位置固定設定」にして安定度を上げる方法は以下をご覧ください。)

そこで、製作者の honkytonk さんに相談したところ、EFCをマイナス電圧にして周波数が増加するタイプのファームウエアを譲っていただきました。
これで、部品箱の中の「アレ」が使えます。

HEWLETT PACKARD(HP)の 10811E です。
・電源は、11.0 to 13.5 Vdc で 40 mA
・オーブンの電源が、20 V で 480 mA
・周波数の安定度は、< 5 x 10-10 / day

EFC と 10 MHz 用の端子はコネクタ式です。2つの端子の間に電源(12 V)用の端子があります。
向かって右側には、オーブン用の電源(20 V)とオーブン温度の安定モニタ端子があります。

ケースの中には、下のように収めました。

電源は、GPSDO 用の 12 V DC 電源には、医療用計測器から回収した高安定(らしい)の電源装置を使用しました。
オーブン用の電源は、24 V DC のスイッチング電源の出力電圧を調整して 20 V にしたものを追加しました。

なお、オーブン温度が安定するまで LED を点灯する回路を、「10811E」のマニュアル記載の情報から得た回路図を参考にして追加しました。
取付場所は、LED 取付穴を追加するのでは大変だったので、LCD バックライト用スイッチの奥に取り付けて、光が見えるように配置しました。(これで追加の加工をしなくて済みました。)
(内部の配置図)

周波数安定度

今まで使っていた OCXO を使用した、周波数の安定度の状態です。
通電後1週間ほど経過後した後の半日分のログの状態です。

こちらが、HP 10811E の周波数安定度です。
安定度の桁が違いましたが、縦軸の数値を元の OCXO と合わせました。
周波数が安定してくるとログの間隔が長くなるので、7日間のデータをグラフ化しています。
明らかに安定度が向上しています。

次のグラフは、通電していた全期間のデータです。
この間に + 4/100 Hz から + 4/1000 Hz 程度の誤差になりましたが、もう少し通電を続ければ周波数が 10MHz にさらに収束すると思われます。

これで、一連の「10MHz GPSDO」の製作を終了します。

今後は、この GPSDO を使用して手持ちの周波数カウンタ(ジャン測)やルビジウム・オシレータの校正を行いたいですね。

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