「OLED オシロスコープ V402 基板」の修正

前回で、OLED オシロスコープ基板のケースが出来ました。(一応完成したケースですが、少し気に入らない所があるので、近々修正する予定ですが。)
これでこの企画は終了するはずでしたが、唯一、電池の電圧測定機能が正常に機能していませんでした。

こんな感じで、まったく電流が流れていないみたいですが、それじゃぁ OLED が表示できるはずがないですね。
なぜだろう?謎です。

今までの OLED オシロスコープ製作記事のまとめは、以下のリンク先をご覧ください。

OLED オシロスコープ基板

ここで紹介している「OLED オシロスコープ」とは、ラジオペンチさんが製作した V300 と、siliconvalley4066 さんが改造した V402、新規開発の 2CH オシロスコープの3種類です。
この中で、2CH オシロスコープは電池電圧の計測機能はないので、今回の記事からは除きます。

電池電圧検出機能の再確認

この記事を書く前に以前の記事を確認してみました。
すると、「完成した「オシロスコープのプリント基板」のお裾分け」の記事の中では、乾電池2本を使っていますが正常に電圧を表示しています。

上の記事で使った写真を再掲載します。

この写真をよく見るとスイッチの横にダイオードが見えるので、ラジオペンチさんの V300 基板であることが分かります。
そこで、再度、ラジオペンチさんの V300 基板を仮組み立てして動作確認をしてみます。
今回の不具合が発生したのと同じように、乾電池1本をつないでみました。

正常に動作しました。

今回の電池電圧検出機能は、ラジオペンチさんのペン型オシロスコープ用の配線図を参考にした回路で組み立てました。
前回の記事で紹介したケースに組み込んだ基板は、siliconvalley4066 さんの V402 基板で、オリジナルの回路図には無い電池電圧検出機能を追加しました。

回路的には電源スイッチを経由して電池のプラス端子を抵抗を通して ATmega328P の Pin24(PC1)につないでいるだけの簡単なものです。
上の写真でラジオペンチさんの V300 基板では正常に動作しているので、V402 基板の不具合で間違いないですね。

再度確認したところ、V300 では正常に点灯している LED も V402 基板では電源を入れても点灯していませんでした。
不具合は2つある事が分かりました。

V402 基板の回路図の確認

基板製作会社にオーダーする際には何度もデータを再確認してから発注していますが、今までも基板が到着してから自分のミスを見つけて落ち込んだことが何回もあります。

今までのプリント基板の製作は KiCad V.8 で行っています。
しかし、やっと動作する基板が作れている素人仕事なので、バージョン管理が良く出来ていません。
試行錯誤を繰り返して作図したいるために、プリント基板をオーダーした時の V402 基板のデータを見つけるのが大変でした。

やっと見つけた回路図の電池電圧検出機能部分です。
(見づらいので画像処理ソフトで、他の回路部分を消しています。)

あれ?やらかしていますね。
S3 は電源スイッチです。U2 は昇圧回路基板です。
Vout(5 V)につながるはずの LED が、Vin(電池)にくっついています。
(言い訳になりますが)KiCad で部品や配線を範囲移動すると、自動で近くにある配線につないで交点を作ってくれる「おせっかい機能」が付いているのを忘れていました。
多分、配線図の見栄えを良くするために、最後に電源スイッチと LED の位置をまとめて動かした後の確認不足ですね。

そして、この配線図から作った基板の PCB エディタの拡大図です。
ここでも、やっちゃっていますね。
R6 が 10 kΩ で、C7 が 0.1 uF なのですが文字が入れ替わっています。
このまま組み立てると、電池の電圧が表示されないはずです。

V402 基板の修正

とりあえず基板上の「R6,10kΩ」、「R8,3.3kΩ」、「C7,0.1uF」の3つの SMD 部品を取り外します。
そして、基板の修正は大変なのでリード部品を外付けします。
(本格的に直すには、R8 の1番端子側の配線を切り離して Vout(5 V)につなぎ、C7 と R6 を入れ替えれば OK ですね。)

これで正常に動作するはずですが、祈りながら組み立てて電源を入れます。(Select スイッチを押しながら。)
良かった!正常に動作しました。
電源 LED も正常に点灯するようになりました。

評価

ありがたいことに、ラジオペンチさんに前回のブログ記事をご覧いただきました。
そして、「ひょっとしたら、電池電圧を測定する配線が無い?」と的確なアドバイスを頂きましたが、終わってみるとご指摘のとおりでした。

また、配線図の間違いは想定内でしたが、初めてシルクの文字の間違いをやってしまいました。
今後の KiCad で基板を作る際の最終確認事項に加えておきます。

それでも、一人の趣味でやっている作業ですから、また間違いそうな気はしますが・・・

どちらにしろ、V402 基板の組み立て記事にも修正文を追加しておきますので、私の作ったプリント基板を受け取られた方は、お手数ですが修正をお願いいたします。

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