バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンを作ろう3

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出てくるタイムマシン「デロリアン」を作る企画の3回目です。
前回は、5日間かけて自宅の 3D プリンタで 3D データを出力してみましたが、出来が良くありませんでした。
(前回の内容は、以下のリンクをご覧ください。)

製作モデルの完成形はこんな感じで、Thingiverse で「OneIdMONstr」氏が公開されている電装付きです。

Thingiverse から引用

自宅にある旧型の 3D プリンタでは、試験用の精度(0.2 mm ピッチ)でも1つの部品の出力に1日かかりました。
実際に使用する高精細(0.1 mm)でプリントするには、1つの部品で3日弱は必要な計算になり、全部で10日以上かかるので現実的ではありません。(愛猫のくうちゃんが夜眠れません。)
そこで、3D データを出力してくれる業者に委託することにしました。

今回の記事で出てくる 3D モデルの出力は、PCBWay さんに提供を受けています。よろしければ、下のリンクのクリックにご協力ください。

3D データ出力業者

「3D造形サービス」で検索すると色々な業者の情報が見つかります。
日本国内でも、DMM.make、INTER CULTURE、3Dayプリンター、Kinko’s、JMC などなどたくさんの出力業者があります。
また、海外でもアメリカ、オーストラリア、中国などの業者が、ネットでデータをアップロードすると国際便で送ってくれるサービスを行っています。

専門業者に依頼した場合の精度については、業務用の 3D プリンタを使っているため問題ないでしょう。
気になるのは、やはり値段です。
1回目の記事で調べたとおり、精密な出来の青島社のプラモデルが6,400円で販売されていて大変好評です。これに金属製ディテールアップパーツを追加しても1万円以内なので、それ以下(1万円 = 約 $67 以内)で製作してくれる業者を探したいところです。

日本の出力業者は見積価格を取っていないのですが、今回使用するような光を通す素材でオーダーした場合には数万円は必要なようです。
海外の業者、特にプリント基板などを製造する業者は、比較的安価に 3D モデルを製作してくれることが分かりました。

PCBWay から連絡が

デロリアンの製作で困っていたところ、プリント基板の製作でお世話になっている PCBWay の担当者さんからメールが来ました。
どうやら、ブログに製作記事を書くことで 3D モデルの製作代を負担してもらえるようです。ありがとうございます。

PCBWay の 3D プリントサービス

早速、PCBWay の 3D プリントサービスを確認してみます。
PCBWay さんのホームページで最初に開くのは、プリント基板の製造依頼の画面ですね。

この画面の上に並ぶ3つ目のタブに「NC/3Dプリント」があるので、そこを押します。

すると、3D モデルのオーダー用の画面に変わるのですが・・・
「あれ?言語は日本語設定になっているけれど、3Dプリントのページは英語なのかな?」
とりあえず進みます。

右側に表示されているウインドウの「3D Printing」を選んで「Get Started」を押します。

3D モデルのオーダー画面です。
ここで、中央の「Drag and drop here …」に、オーダーする stl ファイルなどをドロップするか、マウスを押してパソコン内のフォルダを指定してアップロードします。

試しに一番細かな作りのデロリアンの車両後方のファイルをアップしてみます。
70%に縮小しても 65MB ほどの容量のファイルなので、アップに少々時間がかかりますが無事アップロードできました。

この後、PCBWay で 3D モデルを発注するために設定・入力が必要なのは数か所です。
まず、発注の個数は「Quantity」の横が「1」になっていることを確認します。

そして素材です。
今回は光を通す素材にしたいので「Resin」で「UTR-8100(translucent)」を選びます。
(素材には透明(transpearent)もあります。すごくきれいな透明部品に仕上がりますが高価になります。)

他の設定は、変更をしなくて大丈夫です。

最後に、下の方の「Product Desc:」(製品の詳細)を選びます。
ここを忘れると、発注できずにエラーになります。
今回は、「DIY Entertainment >> Plastic Ornament」(エンタメ製品、プラ製)を選びました。

ここまで設定すると、画面右側の「Submit Request」(オーダー送信)が、薄灰色から緑色になって選択出来るようになります。

緑色になった「Submit Request」を押すと、小窓が表示されます。
この画面は、オーダーした 3D モデルが武器などに該当しないという宣言です。
問題なければ「Agree」を押します。
(本物のタイムマシンなら問題あるのかな?)

これで、ユーザ登録が済んでいれば、オーダー画面に進みます。
3D モデルの依頼の場合にはプリント基板のオーダーと違って、業者によるデータ確認の終了までに日数がかかるようです。
(プリント基板の確認は数時間で終了しますが、光造形プリンタ用に手動で最適化しているのかな?)

2日ぐらいたって HP を見てみたら、オーダー画面の確認が終了して金額が出ていました。
非常に細かいデロリアンの車体後部の光を通すレジンで出来た部品の製作代金が「$18.49」でした。
光造形式の 3D プリンタを新しく購入して、有機溶剤を使ってレジン製の部品を自宅で造形することを考えると、良心的な価格ではないでしょうか?

その他の光を通す部品と安価にできる通常の部品に分けて、その他の部品の見積もりも頼んでみました。

光を通す素材で製作する部分です。

光を通さない通常の材料(Standard white material (UTR 8360))でオーダーする部品です。
(ハンドルは細かな部品なので、塗装などで失敗する可能性を考えて2個オーダーしました。)

こちらも翌日に確認が終わって金額が出ました。
車両後部以外の光を通す部品が $27.38、高さがあるので高価になると思った通常の白いプラスチック製が $14.93 でした。
プリント基板の製造依頼と違って、1つのオーダーに複数の部品を含んでも金額は上がらないので良い感じです。

ちなみに、車両後部だけ別オーダーにしたのは、光を通す部品を1つにまとめたら、ファイルサイズが大きくなりすぎてアップロードエラーになったためです。

3つのファイルの合計金額は、
車両後部:$18.49
その他の光透過部品:$27.38
通常のプラ部品:$14.93

合計:$60.19 でした。
なんとか、想定金額内に収まりました。

オーダーから到着まで

初めて 3D モデルをオーダーしてみました。
発注時に表示されていた製作予想日数は7日でしたが、実際には製造に2日間、製品の確認に1日間、梱包と発送準備に1日の合計4日で出来上がりました。

その後、出力が終わってから自宅に到着する輸送日数が4日間です。
しかし、この日数には発送手続きと通関手続きに2日間が入っていることを考えると激速です。
(自宅の 3D プリンタなら部品1つの出力に3日弱、全部のプリントには10日程度かかりそうですから。)

3D モデルのオーダーから8日ほどで、佐川急便で大きめの箱が届きました。
今まで頼んでいたプリント基板は小型の箱で届きましたが、今回はかなり大きめの箱で届きました。
(中国語でコワレモノの表示がありますが、日本のシールと似てますね。)

内部は厳重に梱包材で保護されていました。
大きめのパーツは1つづつ、小型のパーツは数個をまとめて袋に入っていますが、プチプチは小型の部品でも別々の梱包がされていて、細かな心遣いを感じます。

3D モデルの状態

オーダーしたのはプラモデルではなく一体形のモデルなので、細かな部品まで本体と一体化しています。
その細部を見てみます。
写真にすると白一色に見えるのでよく分かりませんが、肉眼で見ると全体がスリガラスのような繊細な作りで、細かな配管・配線やリベットまでも再現されています。

別角度の写真です。
素晴らしく細かなところまで再現されているところを表現したかったのですが、肉眼でないと無理そうですね。

自宅の 3D プリンタで出力したものと比較してみます。
写真では細かなところが良く分かりませんが、それなりに良く出来ていたと思っていたのが、専門業者の出力と比較すると雲泥の差だとわかります。

全体の部品を合わせてみました。
自宅の 3D プリンタでは組み合わなかったドアと本体が、しっかりとはまりました。
タイヤのホイールなど細かな部分もしっかりと出来上がっています。
OneIdMONstr さんの製作されたデータの優秀さが分かります。

車両の正面です。
これも写真ではよく分かりませんが、タイムマシンとして追加された部品の細かな作りやグリルの DMC の文字などもしっかりと出来ています。

内部を見てみます。
車の外観と比べても、さらに細かな配線や極細のサイドレバー、コンソール上の目覚まし時計、ごちゃっとしたメカまで再現されています。

ここまでしっかりと出来ているなら、変な加工はしないで下地を塗って塗装して仕上げるのが良さそうです。
(素人がガンバっても失敗しそうです。)

次回の予定

次回は下地を塗って表面の状態を確認します。
もし必要なら耐水ペーパーで仕上げて、塗装の準備をします。
(その前に、前後に分かれている車両本体の接着作業もあります。)

そして、デロリアンの細かな色指定の確認と、このモデルの一番重要な電装の組込みについて試験します。
電装について現在考えているのは、いつもお世話になっているラジオペンチさんが製作された「スノーフォールライト」の組込みです。

このスノーフォールライトは「WS2812B」という超小型でフルカラーの LED を Arduino で制御するもので、色の変更や光の流れ方、点滅速度や光の強さまでマイコン制御ができるようです。
このライトに必要なテープ状の LED は、AliExpress に発注済みです。

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