バキュームフォームの製作

バキュームフォームとは

バキュームフォームは、薄いプラ板を熱し柔らかくして型に押し付けながら空気を抜くことで部品を複製したり量産するのに使います。
良く飛行機のキャノピーや車のフロントグラスなどの透明部品を試作するのに使った例を見ます。
今回は、スタートレックのコミュニケータのケースに使用する予定です。

市販品では結構良い値段(5万円前後)するので、安価に自作したいと思います。
では、やってみよう!

バキュームフォームの構造

バキュームフォームの基本的な構造は以下のとおりです。(「とおり」はあえて平仮名書きです。「通り」は公用文では誤りです。)
1 材料のプラ板を温める適温のヒーター
2 空気を吸引するためのモーター
3 本体(空気を通す穴付き)
4 材料を固定する枠

安価に製作するために、試作機ではこのようにします。
1 ヒーターは使っていなかったホットプレート
2 空気を吸引するモーターは、掃除機
3 本体は百均のタッパー、空気穴部はバーベキュー用のアミ
4 材料を固定する枠はタッパーの蓋

1号機(試作機)

適当なサイズのタッパーを百均で購入して、タッパーの側面に掃除機のホースがつながるように穴を開けます。
タッパーの上部にバーベキュー用のアミを切ってはめます。
タッパーの蓋は枠以外を切り抜いて材料を固定するために使います。
1時間ほどで出来ました。
(失敗して処分したので写真がありません。)

試運転と失敗と

バキュームフォーム試作機に掃除機をつないでスイッチを入れます。
すると、タッパー上部からエア漏れして吸引されません。
空気が漏れないようにテープで仮止めして、再度スイッチを入れたらタッパーのプラでは弱くて変形しました。
本体をもう少し丈夫にしないとダメですね。

2号機

材料の選定

本体を掃除機の吸引に耐えられる丈夫なものに変更します。
いつものホームセンターで探します。
配線材料のコーナーにちょうどいいのがありました。
「VE管用露出ボックス」です。
(掃除機をつなぐために、穴の径は28mmを選びます。16mmでは細いです。)
屋内の交流100V配線でスイッチなどを取り付けるのに使います。今回の用途に十分な強度があります。

このケースの内径は12cmです。12cmファンの部品がジャストフィットです!
ジャンク箱を見てみると、12cmファン用の部品が余っています。
ファン固定具

金属製フィルタ

これらを固定するために、ケース裏に3mmの穴を4つ開けます。

M3ボルトを取り付けるための部品を取り付けます。

ケース内にボルトで取り付けました。

12cmファン用の部品を取り付けます。
このために作られているような、シンデレラ・フィットです。

掃除機をつないで試運転
ケースと掃除機をつなぐのには、余っていた洗濯機の接続ホースを利用しました。

ファン用の金属製フィルターとケースの隙間から空気が漏れています。
このままでは吸引できないので、ダイソーの融着テープを4隅に貼ります。
(この「融着テープ」は色々な用途に使えるので、工具箱に常備しています。)

材料を固定する枠を作ります。
セリアのはがきサイズ用額を加工しました。

この額の短い方はそのままで、長い方を短い方と同じ長さに45度で切り落として組み直します。
四隅を止めている金具を取り外して、切断後に押し付けると固定できます。

試運転

加工するプラ板を、クリップで枠に固定してホットプレートで加熱します。

プラ板が「いい感じ」で柔らかくなったら、バキュームフォームで吸引します。

完成

色々な部品が流用できたので、バキュームフォームがケース代だけ(千円ほど)で出来ました。
でも、試作機は大失敗だったので、点数は80点です。

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