SMD 半田付け用の クランプ を作る

色々な事情から、SMD部品を半田付けする機会が増えそうなので、事前に便利な道具を作ります。
「SMDクランプ」です。SMD(表面実装部品)を固定してくれる「第3の手」です。
また、3Dプリンタの出番ですね。

今回は「SMDクランプ」を作ります。

「コレ」が必要になった理由

現在、「OLEDオシロスコープ」の基板をオーダーして基板は到着しましたが、AliExpressに頼んだ必要な部品の到着待ちの状態です。
せっかくの週末で日曜電子工作の時間が取れるので、「OLEDオシロスコープ」に使用する手元にある部品の加工などを先行して始めました。
(「OLEDオシロスコープ」の基板製作の記事は、以下をクリック)

まずは、表示装置となるOLEDディスプレイの加工です。
オーダーした基板は、0.96インチと1.3インチ OLEDのどちらにも対応するために、端子は0.96インチ OLEDの配列に合わせました。

0.96インチOLEDの端子配列は、 GND、VCC 、SCL、SDA の順です。

0.96インチOLEDの端子

1.3インチOLEDの端子配列は、 VCC、GND 、SCL、SDA の順です。「VCC」と「GND」が逆で、このままつなぐことは出来ません。
ところが都合よく、1.3インチの方は裏の配線でVCCとGND端子を入れ替えることが出来ます。

画面上の2つの 0 Ω抵抗を、上側は「2(VDD)」側へ、下側は「1(GND)」側に入れ替えます。
また、1.3インチOLEDの電源部はノイズ源となることが知られているので、その対策も行います。
(1.3インチOLEDのノイズ対策については、以下をクリック)

1.3インチOLED基板の裏側

まずは 0 Ω抵抗をサクッと2つ除去し、残った半田もきれいにします。
実装されていない「C2」の所にも半田が盛り上がっているので、これも除去しておきます。

半田除去の様子

さて、SMD部品の半田づけです!
(SMD部品の半田付けは久しぶりなので、細い半田と拡大鏡も準備します。)

右手には半田ごてを持ちます。
左手で震えないよう気を付けながら、先の細いピンセットでSMD部品を固定します。
続いて、左手はSMD用の細い半田に持ち替えますが、もちろん、半田ごてや半田が少し触るだけでSMD部品は「あちこちへ」動きます。

拡大鏡とOLEDディスプレイ

無理ですね。
あきらめましょう。

以前は、SMD部品を取り付ける基板の片側の端子に少し半田を乗せて、ピンセットで部品を移動しながら半田ごてで仮固定して、反対側を止めたら、元側を半田付けして、また戻るという根性でやっていましたが、根本的な解決策を探しましょう。

SMD部品の固定具を作ろう。
それ、やってみよう!

SMDクランプの情報収集

ネットを「SMDクランプ」(英語で「SMD soldering clamp」でも検索しました。)で検索すると、色々な情報がありました。
その中には、金属部品を加工する本格的な物から、定規に重りを付けただけの簡易的な物までありましたが、簡単に作れそうなので、3Dプリンタで作ることにします。

いつもの「Thingiverse」さんへ行きます。
「preferat」さんが「SMD soldering clamp」という、そのままの名前のデータを公開されています。
データを落としてきて、3Dプリンタで出力します。
(そういえば、ハードディスクの「いつか作るかも」フォルダに、他の方が公開していたノーズが長い「SMDクランプ」のデータもあったので一緒に作ります。)

部品の準備

3Dプリンタで作った部品以外には、
・適当なバネ:部品箱で見つけました。
・直径2 mmの棒:ダイソーのアルミ線(2 mm)を切りました。
・M4ボルト:ステンレスのカッコいいのが部品箱にありました。

ノーズの短い「SMDクランプ」
ノーズの長い「SMDクランプ」

クランプの組み立て

組み立てと言っても、2 mmの針金を適当な長さに切って、バネを入れて、ボルトで止めるだけです。
設計がしっかりしているので、一度でしっかりと組み上がりました。

クランプ兄弟の完成

OLEDディスプレイの改造

それでは、OLEDディスプレイの改造に戻ります。
取り外した 0 Ω抵抗は、きれいな状態だったので再利用します。

SMD部品を基板に置いて「SMDクランプ」で固定します。
クランプのバネは、やんわりと抑えてくれるのでOLEDディスプレイのガラス面にも優しい感じです。
でも、何かの拍子に少し動いた程度では、しっかりと部品を固定し続けてくれます。
これは良い感じで半田付けが出来ます。

0 Ω抵抗を2個とノイズ対策のコンデンサを1つ取り付けましたが、手がもう1本あるようで、とても良い感じです。
クランプの先端部分に使った「ダイソーのアルミ線」も、アルミ製なので半田が付かないという副次効果もありました。

ちなみに、コンデンサは表面に値が書いていないので、SMD用のテスタで値を確認してから取り付けましたが、少し数値が低いようです。
(準備したのは秋月電子で購入した 1 uF の物です。)

完成しました。
これで、AliExpressから部品が到着したら、すぐに「OLEDオシロスコープ」の組み立てが出来ます。

ちなみに、改造した1.3インチOLEDの表面の端子部分の表記は、「GND」「VCC」の順に書き換えておかないと電源を間違ってつないで壊してしまうので注意が必要です。

改造が完了した 1.3 インチOLEDディスプレイ

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