FFTアナライザ その2(ノイズ対策編)

先日、「ラジオペンチ」さんの「ラズピコでFFTアナライザーを作る(http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-1201.html)」で紹介されていた作例を組み立てましたが、ノイズが多い事が気になっていました。

ノイズ対策

信号がない状態でも、常にノイズが見られます。

ラジオペンチさんに完成を報告すると、早速、OLEDのグランド側が原因ではないかとアドバイスを頂きました。(ありがとうございます。)

どこまでできるかわからないけれど、やってみよう!

OLEDの対策

色々と調べると、ラジオペンチさんの「1.3インチOLED をArduinoで使う(電源ピン変更)」(http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-1012.html)にヒントがありました。
元々、このOLEDをAliexpressから購入して、裏を見た時から「C2が付いてないけど輸送中に取れた?でも、送られてきた全数に付いてないから仕様かな?」とは思っていました。

ラジオペンチさんのブログより。C2が未実装です。

OLEDへコンデンサの追加

その、ラジオペンチさんのページで紹介されていた、JE2TLZさんの「パラ & ELEXの小部屋」の「1.3型OLEDとAVR電圧」という2019/4/23の記事(http://yoshikawa.jpn.org/je2tlz/wiki.cgi?p=Micon)に、1.3インチOLEDを解析された内容と回路図、改善例が示されていました。
要約すると、「LCDからOLEDに変更したら、3Vで使うと問題ないが5VではAVRが停止する。数日試行錯誤の末、C2を追加したら改善した。」という内容でした。

JE2TLZさんが解析された回路図を見れば、一目瞭然ですね。
5Vから3.3Vを作るのにXC6206というレギュレータを使っていて、製造元のデータシートでは、「CLは1.0μF以上の低ESRセラミックコンデンサ使用」と書いているので、ノイズの発生はC2がないのが原因かな?

1.3in OLEDのレギュレータXC6206のデータシートより

まずはOLEDへのコンデンサの追加です。C2空きスペースに合うサイズの1uFのセラミック・コンデンサの在庫がなかったので、片側はGNDの部分を剥がして取り付けてみました。

C2の下側はレギュレータのVout、上側がGNDです。

入力ラインのシールド強化

次に、入力ラインを同軸線に変更し、基板の裏にも銅箔を追加しました。

基板の裏へ銅箔追加(この後GNDへ半田付け)と同軸線

ノイズ対策後の様子

ノイズ対策でやってみたことは
1 プラケースの床面への銅箔の追加
2 電源ラインへのフェライトコアの追加
3 OLEDのレギュレータへのC2の追加
4 入力ラインのシールド強化

これらのノイズ対策を行った結果が、以下の状態です。
まだ、一部ノイズは残っていますが私が使うには十分です。
なお、途中で写真は撮っていませんが、OLEDの電源を3.3Vにしてもノイズに変化はなかったので、OLEDの電源変更は採用しませんでした。

映りが悪いですが、最下線が-80dBのラインです。

前回の訂正とまとめ

前回の記載内容の訂正です。

とりあえず動作はしていますが、ノイズ源と思われる5Vから3.3Vを作っている降圧コンバータが、pi picoと異なり金属ケース内に有る為に除去するのが難しく、XIAO RP2040はpi picoと電源周りの回路が異なり「3V3EN」端子をLOWにする手も使えないために、ラジオペンチさんのオリジナルよりノイズが多い部分を改善したいです。

組み立てたFFTアナライザで発生していたノイズの原因は、OLEDのレギュレータの出力側に有るべきC2が取り付けられていないことでした。
C2を追加して、他のノイズ対策をするとー60dB程まであったノイズがー80dB程度まで下がりました。アマチュアが使うには十分の性能ですね。
これ以上の対策は追い求めないことにします。小型軽量で大変使いやすい計測器が出来上がりました。

ラジオペンチさん、ありがとうございます。

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