「オシロスコープのプリント基板」の組み立て方3

「OLEDオシロスコープ基板」の組み立て方、第3回目は「siliconvalley4066」さんの 2CH オシロスコープです。

この簡易オシロスコープは、「siliconvalley4066」さんの新規設計品で前回・前々回の「ラジオペンチ」さんの V300 を改良・機能追加した物とは少々異なります。
「siliconvalley4066」さんの「OLEDオシロスコープ」V402 の作り方は前回の記事をどうぞ)

「完成した「オシロスコープのプリント基板」のお裾分け」の記事は以下のリンクをご覧ください。
(まだ、基板の無料配布を継続して行っています。)

「siliconvalley4066」さん 2CH オシロスコープの概要

「siliconvalley4066」さんが製作された「ArduinoとOLEDで2CHオシロスコープ」の製作記事は、こちらをご覧ください。(別窓が開きます。)

2CHオシロスコープの完成例が下の写真です。
このオシロスコープにも信号発生端子が追加されているので、画面に映っているのはテスト信号の波形です。

ちなみに、この簡易オシロスコープには、オシロスコープ機能の他に
・FFT機能
・パルスジェネレータ機能
・ファンクションジェネレータ機能
・周波数カウンタ機能
があります。

基板上の配置は「OLEDオシロスコープ」2種類とほぼ同じです。
ただし、操作のインターフェースが異なるので、3ポジションのサムスイッチは使えません。
そこで、基板外部でスイッチを校正できるように端子のみ設置してあります。

左上に、AC/DC切り替えスイッチ、その横に操作スイッチの端子、右側に電源スイッチが並びます。

基板サイズも3種類の「OLEDオシロスコープ」で共通です。横幅が 10 cm、高さが 2.5 cm です。

部品の準備

V402 に必要な部品は、機能は追加されていますが「ラジオペンチ」さんの V300 より少なくなっています。
V402 のプリント基板はこのような作りになっています。

ATmega328P

プリント基板以外の使用部品の紹介です。
ブートローダが書き込まれた ATmega328P を準備します。

素の ATmega328P へのブートローダの書き込み方は、こちらのリンクを参考に「Arduino UNO」のブートローダを書き込んでください。(Arduino UNOをプログラマにします。)

電源用の昇圧基板

使用した昇圧基板は型番が不明ですが、色々なところで販売されています。
他の形状の物でもかまいませんが、今回のプリント基板に直付けするには、写真のような端子間隔が 2.54 mm で3ピンの物を選んでください。(端子上から、入力、GND、出力です。)

OLED

OLED は、画面が大きい 1.3 インチの SSD1306 を使います。(スケッチを変更すると 0.96 インチの OLEDも使えます。)
OLED は、電源端子を入れ替えます。
具体的な方法は、「SMD 半田付け用の クランプ を作る」で紹介しています。下のリンク先をご覧ください。

16 MHz 3 端子セラミック発振子

型番不明ですが、今回の基板では集積度を上げるために、初めて小型のセラミック発振子を使用しました。
これは、日本でよく見る村田製作所のセラロックが海外通販(AliExpress)では見当たらなかったので、しかたなく使用しました。
日本の通販で入手する際には、この部品がネックになるかもしれません。

スイッチ

S1:AC/DC 切替スイッチ

AC/DC 切替スイッチは、 SK22D07G4NSPAを使いました。
普通の小型スライドスイッチですが、6端子です。

S2:上・下・左・右 スイッチ

S2 としていますが、このオシロスコープの全ての機能を使うには4つのスイッチが必要です。
前回までの機能確認では、5ポジションスイッチを使いましたが、2つのスイッチの同時押しに機能が割り当てられているために、このスイッチでは物理的に操作が出来ません。
4つのタクトスイッチを小さく切断したユニバーサル基板などに組み立てて使うことになります。

ちなみに、動作確認に使用した5ポジションスイッチはこんな感じのスイッチです。

S3:電源スイッチ

電源スイッチは、SK12D07VG4NSPAです。
3端子のスライドスイッチです。
スライド部分の長さは 5 mm の物を使いました。

抵抗

抵抗は SMD の 3216 サイズを使いました。
R1,R2,R3: 2M
R4,R5,R7,R20: 10k
R6: 3.3k(電源 LED 用です。実際には取り付ける LED に合わせて、今回は 2kΩ 程度の抵抗にしました。)
R8: 470
R9: 4.7k

LED 電流制限用の抵抗は、使用する LED の明るさに合わせて数値を変更してください。

コンデンサ

コンデンサも SMD の 3216 サイズを使いました。
C1,C2: 47uF(C2 の基板のシルクは 1uF となっていますが、3216 の 47uF が入手できたので交換)
C3,C7,C8,C9: 1uF
C4,C6,C10,C11: 0.1uF
C5: 0.01uF

その他の部品

その他の部品として、
ATmega328P用 IC ソケット(28 Pin)
1列のピンソケット
1列のピンヘッダ
電源用 LED
板ラグ端子
などが必要です。

プリント基板の図面

プリント基板へ部品を装着する時、端子の接続先が分からなくなった場合の確認図です。
電解コンデンサと LED には極性があります。また、MCU の1番ピンは右上です。取り付けの際には注意してください。

自宅リフロー

SMD の抵抗、コンデンサ、ダイオードなどは大きめの 3216 サイズなので、手半田も可能でしょう。
しかし、小型のセラミック発振子は、背面に端子があるので半田付けが難しいです。

リフローは自宅でも簡単に出来るので、この機会にぜひお試しください。
(自宅リフローの手順は、以下のリンク先をご覧ください。)

自宅リフローで必要になるステンシル作成用の画像ファイルは、他の「OLEDオシロスコープ」と共通です。
(最下段には必要ない部分もありますが、適当に編集してお使い下さい。)

ここでは、SMD 部品、小型のセラミック発振子とサムスイッチは、手半田かリフローで取り付けたものとして次に進みます。

IC ソケット、端子の取り付け

背の低い部品から半田付けします。
順番は
IC ソケット
スライドスイッチ
ピンヘッダ
ピンソケット
電解コンデンサ
板ラグ端子
最後に電源用 LED
になるでしょうか。

OLED 用の J3 にはピンソケット、それ以外のジャックにはピンヘッダを使いました。
OLED にはピンヘッダが付いた状態で販売されているものが多いので、ピンソケットが必要ですがその他のジャックにはどちらを使っても大丈夫です。

電源変換基板にもピンソケットを付けておきます。(変換基板にピンヘッダを付けた場合は、基板にはピンソケットを付けてください。)

板ラグ端子は、穴の径が M4 より少し小さいので、ヤスリで広げます。

テスト棒の端子が入るまで広がったら、基板に半田付けします。
端子の下側を90度に曲げてから半田付けします。

全てを半田付けし終わると、こんな感じに出来上がります。
(この基板は動作確認用なので、信号入力用の板ラグとグランド線が付いていません。)

導通確認など

プリント基板はすでに動作確認が出来ているので、半田付けが問題なければ一発で動作するはずですが、万に一の不具合の可能性があるので、MCU 等を挿入して電源を入れる前に電源ラインなどの短絡がないか確認します。

この基板も電源接続端子を中央にして、右側の3端子が電源変換基板、右側に周波数計測用の2端子が並んでいます。
同じ2ピンの端子なので、電源接続用と間違いやすいので注意してください。

乾電池を準備して電源を接続します。
電池ボックスに圧着端子を付けておくと、基板への脱着に便利です。

昇圧基板をピンヘッダに装着します。
電源スイッチを入れると、電解コンデンサのプラス側に +5 V が出ているはずです。
他にも OLED、MCU、プログラム書き込み端子の VCC にも +5 V が計測出来ます。

以上の部分に問題がなければ、IC ソケットに ATmega328P を挿入します。
通常と異なり、1番ピンが右側になるのでよく確認して挿入してください。

スケッチの書き込み

「siliconvalley4066」さんのブログから「2CHオシロスコープ」用のスケッチを落としてきて Arduino IDE で書き込みを行います。
最新版のオシロスコープのスケッチは「ArduinoとOLEDで2CHオシロスコープ」にある GOscillo132.zip です。解凍してスケッチを書き込んでください。

書き込みには USB 変換器でプリント基板のソフトウエア書き込み端子とつなぎます。
接続は下図のとおりです。(この写真は V300 基板です。)

ブートローダは Arduino UNO の物を書き込んでいるので、「ツール」で選ぶ「ボード」は「Arduino Uno」にしてください。

Arduino IDE の詳しい使い方は「Arduino しようぜ!Arduino IDE編」をご覧ください。

動作確認

ここまで来たら完成まではもう少しです。
OLED ディスプレイをピンソケットに差し込みます。

OLED の裏側の電源端子の変更は忘れていませんか?
大丈夫なら、電池を接続して電源を入れます。

このオシロスコープは起動ロゴは表示されず、直接、オシロスコープ画面が表示されます。
おめでとうございます!

このオシロスコープにもテスト信号が出力されているので、その信号を入力してみます。

上の写真は単3の乾電池2本で動作しています。
他の2種類の「OLEDオシロスコープ」と同じで、この基板も単4充電池1本で動かすことも可能です。
(写真を撮る時にエネループのパナのロゴが写ってませんね。)

この基板簡易オシロスコープは、非常に多機能です。
しかし、その機能を小さな基盤に収めたために、本来は2チャンネルですが1チャンネル分の入力回路しか実装していません。(プログラムは動いているので、端子に直接入力すると表示できます。)

また、色々な機能の端子をギュッと詰めて搭載しています。
実際の端子の配置場所は、下図のとおりです。

画面で「DDS」の設定を行うと「DDS 出力端子」から信号が出ます。

また、「周波数入力端子」の周波数を計測します。信号入力端子の周波数表示とは別系統で動作しています。周波数は 6 MHz 位まで計測出来ます。(DDS 機能と周波数計測機能は同時に動作しません。)

「テスト信号出力」は「OLEDオシロスコープ」V402 と同じで、常時テスト信号が出力されています。

なお、「Pulse Generator」は8 MHz まで出力できます。
「DDS Function Generator」は 1 kHz 位までの8種類の波形を出力できますが、周波数カウンタとは同時には使用できません。

これで3種類の「OLEDオシロスコープ」の組み立て方の記事を終わります。
しかし、不足事項や間違いがあると思うので適宜修正します。
(恥ずかしながら、すでに図の間違いがありました。自分では気づかずに、教えて頂いて分かったので修正しました。)

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