簡易型デジタル・オシロスコープ(DSO-150互換型)の組み立てと改造

皆様、「ジャン測」という言葉はご存じでしょうか?
そうです、ジャンクの計測器の事で、中古で入手したオシロスコープやマルチメータなどを部屋に集めて、夜毎にめでるという特殊な趣味に使います。(個人の感想です。)
その昔、HP、目黒、テクトロニクスなどの機材を小部屋の棚に詰め込んで、週末に電源を入れてCRTの画面に波形を映して喜んでいるだけでしたが。
現在の住まいに移るときに、ほとんどを処分してしましましたが、最低限必要そうなデジタルマルチメータ、オシロスコープ、周波数カウンタなどは残していました。
その後、週末も仕事に追われる日々が続いたので、計測器の電源を入れる時間もなく日々が過ぎていきました。
最近、時間が取れるようになったので、半田ごてを久しぶりに出してきて、電子工作などを再開すると共にブログをはじめてみました。
そうなると、机の配置などから据え置き式の計測器だと使い勝手が悪いことに気づきました。
高級でなくて良いので、機能確認が出来る程度のハンディな計測器が欲しいな。
それじゃ、やってみよう!

簡易型オシロの種類

第1弾は、簡易型のオシロスコープを手に入れます。
まずは調べましょう。(主に秋月電子で調べました。)
1 パソコン接続型
これは、単体では画面が付いていないので今回の選考からは外します。
2 薄型オシロスコープ
最近では本格的なオシロスコープもLCDで薄く安価になっていますね。でも、既に持っているタイプと被るので、これも除外します。
3 ハンドヘルド型
外観は大型のテスタのようなタイプです。機能は十分ですが、薄型のオシロスコープ並みの価格なので躊躇します。
4 タブレット型
小型・軽量でバッテリ内蔵、帯域幅も十分ですが、結構なお値段がしますね。
5 DSO-Nano
これ、いいですね。アナログ帯域は200kHzまでのようですが、色々な改造の情報などもあるようです。
6 DSO-112
これも良いですね。帯域幅は2MHzあるので十分です。
7 DSO068
これはキットですが、帯域幅は3MHzとのこと。悩みますね。
8 DSO-150
これは、キットと完成品があるようです。見た目は一番気に入りました。
これで探してみましょう。

「DSO-150」オシロ・キット

DSO-150のキットでを色々と探しました。
すると、AliExpressにも、同じような商品が多数ありました。
その中で、販売数と店舗の評価と値段を比較して「Dso-デジタルハンドヘルドオシロスコープ,FNIRSI-150」というのを注文しました。

注意:私はDSO-150を注文するつもりで、「FNIRSI-150」を購入してしまいました。この商品は、互換品として販売していますが、純正品以外はファームウエアのバージョンアップ(ログ出力などの追加機能)が出来ないなどの制限がある為おすすめできません。購入するなら、国内のショップ(秋月電子など)やBanggood.comでお探しください。純正品は、本体下部に「DSO Shell」「JYE Tech」と書かれています。

オシロ・キットの組立

オシロのキットです。と言っても以前は全ての部品を自分で取り付けるタイプのキットでしたが、現在は御覧のとおりに表面実装の細かな部品は半田付けがされており、スイッチと電解コンデンサ程度の半田付けとSMDの抵抗を1個除去するだけなので、説明書を見ながらでも半日もかからずに完成します。

左下の入出力端子(ファームの書き換えやデータの入出力用)には、あらかじめピンを付けておきました。また、エンコーダの端子は絶縁処置をしておきました。

電源内蔵の改造

このオシロスコープには、別途9Vの電源を外部から供給する必要があります。
機能確認は、5V出力のモバイルバッテリーにUSBケーブル型の9VDC変換機をつないで行いましたが、毎回電源を準備するのは面倒なので、電源を内蔵する改造を行います。電池はリチウムの18650タイプが沢山あるので、それを使います。

リチウムイオン電池(18650)内蔵型

いつもの「Thingiverse」で探すと良い感じのものがありました。「DSO Shell (DSO150) Oscilloscope extended bottom」(https://www.thingiverse.com/thing:4715234)です。これを3Dプリンタでプリントして、バッテリ端子、リチウム電池充電基板、昇圧基板を内蔵します。

これで、電源を準備しなくても単体で動作するようになりました。
しかし、見てください。とても厚くなりました。(厚さが倍まで行きませんが、すごく持ちづらいです。)
電池に丸い18650タイプを使ったのでしょうがないです。

電源部の薄型化

改善しましょう。
元々の本体に、充電池と基板類を納めます。
充電池は在庫の中で一番の薄型リチウムイオンで1000mAh, 3.7Vです。
「入るかなぁ?」

「なんだ、入るじゃん。」
(最初からこうすれば、3Dプリンタでケースをプリントする必要はなかったですね。)

電源内蔵の完成

出来ました。
元のケースに収めたので、薄くなり扱いやすいです。(立てた時に安定性が悪くなったのは、しょうがないです。)

「FNIRSI-150」の問題点

残念ながら、DSO-150の純正品ではないので、ファームウェアのアップデートは出来ませんでした。
ただし、現在のバージョンと1つ古いファームは入手できたので、書き換えが出来ることは確認済みです。
どうしてもログ出力を追加したければ、有志が開発した「Open-DSO-150」などに変更すれば可能なようです。
今のところは、画面を撮影すれば事足りているので大丈夫ですが、必要になったら書き換えを考えます。

まとめ

満足度は、改造して機能的には満足していますが、自分の確認ミスで純正品ではないものを購入してしまったので80点です。

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