電力ロガーの組み立て

突然ですが、電気代、高くなりましたねぇ。(ガス代も大変ですが。)
省エネには気を付けているつもりですが、支払い金額は毎月上がっています。なんとか節電して、毎月の支払いを少しでも節約したいです。

「多分」、「かなり」、「減っているはず」、「なのに」、「すごく」、「上がっている感じ」
あれ?どこにも具体的な数字がないじゃないですか。
これじゃぁ、いけませんね。

改善しましょう。やってみよう!

電力ロガーについて

消費電力を記録できる、電力ロガーについて色々と調べました。

ログ(使用電力の記録)が取れない、画面で見るだけのワットチェッカーなら2,000円以内で入手できそうです。
でも、今回は電化製品の1日の消費電力を確認したいので、パスします。

BluetoothやWi-Fiで記録を残せるタイプもありましたが、画面が付いていないので、その場での確認が出来ません。

電力ロガーで調べると、良い感じの商品は最低でも5万円以上する計測器ですから、節電してもそれ以上の出費があっては目的からは外れてしまいます。

じゃあ作りましょう。目標は、画面が付いていて記録が取れて5千円以下(出来るだけ安価)です。

Arduinoを使った電力ロガー

製作例を探していると、ラジオペンチさんのところに大変良いものがありました。
PZEM-004TとArduinoを使った電力ロガー」です。
Arduinoと電力センサーPZEM-004Tを使った電力ロガーです。

必要部品

電力センサ(PZEM-004T)

電力センサーのPZEM-004Tは、10A用は内部のシャント抵抗を使って、100A用は外部トランスを使用して計測するようです。
10A用を使うと、自分で作る機材の内部にAC 100Vを入れて1日中放置することになるのでちょっと不安ですし、100Vの延長コードなどの最大値は15Aが一般的なので、今回は外部トランス型を採用します。

この商品の海外の評価ページでは、外部トランスでのPZEM-004Tの測定結果でも、家電の消費電力を測定する程度の用途で気になるほどの誤差は出ないようです。
開閉式の外部トランス付きのPZEM-004Tが、AliExpressなら1,000円以下で入手可能です。

PZEM-004Tと外部トランス

その他の部品

その他の主要部品であるArduino Nanoと0.96インチのOLED、スイッチなどは家に在庫がありました。
新規に部品を購入する場合は、以下の物が必要です。
1 Arduino Nano:書き込み環境含む。本体は安価な互換機で十分です。
2 スイッチ:小型のタクト・スイッチなどを2個
3 配線少々:内部信号ラインの配線用
4 家庭用100V配線の延長コード
5 ケース

ケース

ケースは、内部に100Vを継続的に流すので、自作ではなく既製品で用途に合うものをホームセンターで一生懸命に探して、以下の部品を購入しました。(全部で千円ぐらいでした。)

「電設資材」のカタログや部品の資料については「道具箱」の「延長コード」内に記載しました。
よろしければ、そちらも御覧ください。

実際には、ケースの部品は近所で最大のホームセンターで購入しましたが、参考として同等品を扱っていた「モノタロウ」の商品を載せています。

プレハブなどで配線に使う「露出用スイッチボックス」

スイッチボックスに部品を取り付ける「コンセント取付枠」

上蓋になる「スイッチプレート」
見栄えで選びました。実際には枠だけ(WTC7101W、\129)でもOKですが、これがあると、開閉式の透明なフタが付いてカッコいいです。

「化粧カバー」
OLEDの窓とスイッチを取り付けます。

「コンセント」
裏に2個ずつ計4個の穴があるタイプを使いました。

その他に、使わなくなった100Vの電源ケーブル(又は延長ケーブル)とUSBケーブル(Arduino Nano接続用)、スイッチなどが必要です。

電力ロガーの組立

注意:以下の作業は、「高電圧」の取り扱いを行います。私は電気工事士の資格を持っていますが、もし、同じようラジオペンチさん電力ロガーを製作する場合は、十分注意して行ってください。

配線図を描くほどではないので、配置図です。

Arduino Nanoに、ラジオペンチさんが公開して頂いているファームを書き込んで、部品を組み合わせるだけなので2時間ほどで出来ました。

電力ロガーの完成図

細かな作業としては「化粧カバー」の中央に2か所穴をあけてスイッチ穴を作りました。
上段の窓部分には色付き透明の文房具の「下敷き」(キャンドゥでプラ板の材料として購入しました。)を切ってはめ込みました。
OLEDとスイッチの基板は、裏にホットボンドで固定しました。(文字はテプラの透明、黒文字)

「スイッチプレート」は無くても良いですが、有るとカッコいいです。

OLED画面とスイッチ部分の拡大図

拡大すると、スイッチ穴が若干ズレていて恥ずかしいです。

裏側の部品取り付け状態

OLEDとスイッチの基板はホットボンドで固定

配線の注意事項

100Vの配線は、十分に気を付けてください。

コンセントの端子には、単線以外は入れてはいけません。「より線」を使う場合は直径1.9mm(WV2500)又は1.8mm(WV2501)相当の圧着端子を使ってください。

コンセントの施工説明より

配線の白線は、コンセント裏の白線の挿入指示がある側に差し込みます。差し込んだ線を抜く時は、横にマイナスドライバーを押し込むと抜けます。

コンセントの仕様書より

交流100V配線の配色

直流の低圧電線と異なり、100Vの配線の黒線は活線で、白線がニュートラル、3線式の場合は緑線(又は緑と黄色のストライプ)が接地線です。

3線式の200V系(エアコンなど)の配線は、活線が2本で黒色と赤色、白色がニュートラル、緑色(又は緑と黄色のストライプ)が接地線です。
(海外では青線が活線で茶色線が接地線が多いようです。)

ややこしいのですが、3線式のACケーブルには黒、白、赤の物があります。この場合は、黒色(活線)、白色(ニュートラル)、赤色(接地線)になります。

家庭内配線の色分け(電力会社により異なる場合があります。)
 活線:黒色と赤色
 ニュートラル:白色
 接地線:緑色
ACケーブルの色分け
 活線:黒色、青色
 ニュートラル:白色
 接地線:緑色、赤色、茶色、緑と黄色のストライプ

ちなみにコンセントの穴は正面から見て短いほうが活線(黒線)で長いほうがニュートラル(白線)、3線式なら下の穴が接地線(緑線)です。

電力センサの開閉式の外部トランスは黒線にかませます。両方にかませると、どんなに電力を消費しても消費電力はほぼゼロになります。(いくら食べてもゼロカロリー?)

まとめ

電力ロガーの組み立てる前の内部の状態です。

全ての部品はピッタリと収まりました。この後、しっかりと絶縁しました。

PZEM-004Tから先の配線は、ラジオペンチさんのページの配線図のとおりです。
Arduino Nanoに8本の線をつなぐだけなので、ブレッドボードもいらないぐらい簡単です。

100Vのラインはコンセントに直接つながっているだけなので、端子がしっかりはまっていれば問題ないはずですが、部品を納める際には絶縁をしっかりと行ってください。

ホームセンターではケースをどれにするか悩みましたが、家に帰って全ての部品を入れてみるとジャストフィットで収まりました。

当初の希望どおりの性能が予算内(家にあった部品を除けば、2千円以下と十分安く)で出来たので、満足度は95点です。
次回は、気になる家電の消費電力の測定と省エネの結果をとりまとめます。

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